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大田昌秀ー沖縄の苦悶を体現した学者政治家 中公新書

野添文彬

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121028655
ISBN 10 : 4121028651
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

沖縄戦で鉄血勤皇隊として死線を彷徨い、戦後は早稲田大学、米国に留学、琉球大学で沖縄学・沖縄戦の研究者となった大田昌秀。米統治下から論壇で活躍し、1990年、沖縄県知事当選以降は米軍基地問題と対峙する。冷戦崩壊後の新たな日米関係が求められるなか、米海兵隊による女子暴行事件が勃発。高揚する民意と日本政府との間で解決を模索するが、3度目の知事選で敗北する。80冊以上に及ぶ自著で沖縄の苦悩を描き続け、沖縄現代史と共に歩んだ生涯。

【著者紹介】
野添文彬 : 1984(昭和59)年滋賀県生まれ。2006年一橋大学経済学部卒業。12年一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。沖縄国際大学法学部講師、准教授を経て、24年より沖縄国際大学法学部地域行政学科教授。専攻・日本外交史、国際政治史。著書『沖縄返還後の日米安保』(吉川弘文館、2016年、沖縄協会沖縄研究奨励賞・日本防衛学会猪木正道研究奨励賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    大学卒論のフィールドが沖縄だったため、大田昌秀の本は相当読んだ。また、県知事時代の活動も注目していたし、平和の礎には何度も足を運んでいる。この沖縄最大級の巨人(ちなみにまだ健在な沖縄在住の叔母とほぼ同世代)の評伝は、著者も言うようにそのまま沖縄の現代史につながっている。特に知事時代の苦悶ぶりを丁寧に書き起こしているところが価値がある。一方アメリカ世時代と日本への復帰運動あたりはちょっと物足りなかったが、太田自身の関わり方の問題でもあろう。大城立裕、新崎盛暉などの重要人物も写真入りで取り上げられている。

  • どら猫さとっち

    大田昌秀を知ったのは、佐古忠彦監督の沖縄知事を題材にしたドキュメンタリー映画『太陽(ディダ)の運命』だった。彼はまさに、沖縄現代史を生きた学者政治家だった。沖縄戦、本土復帰から米軍基地問題に落選…。宿命を背負い、沖縄のために奔走した大田。彼の生涯がここに登場した。昭和の始まりに生まれた彼の、もうひとつの沖縄での昭和が、本書に描かれている。彼の存在は、現代日本史にも確実に刻み込まれているといえるだろう。

  • nishiyan

    琉球大学で長年、沖縄戦・沖縄学の教鞭を執り、定年を前にして沖縄県知事へと転身した大田昌秀の評伝。沖縄県知事時代についての記述が多い点が印象的な本書。沖縄戦を経験し、米国留学、早稲田大学への留学という沖縄の知的エリートの歩みを体現した彼の人生は興味深かった。県知事選では、いわゆる革新陣営だけでなく沖縄経済界の後押しがあった点を知れたのは収穫だった。知事在任中は早稲田人脈の活用で少数与党だった議会運営を乗り切ろうとしていた点も気になった。基地と経済に挟まれて苦闘した学者政治家の人生は今度も語り継がれるだろう。

  • いとう・しんご

    読友さんきっかけ。「「沖縄戦における犠牲の意味をあいまいにし、戦争の処理さえも終わっていないまま、沖縄をして、ふたたび国土防衛の拠点たらしめようとの発想が、現実化しつつある」という『醜い日本人』での大田の指摘が、今日ほどあてはまる時期はない。」p230。戦争体験者がする火遊びと、戦争体験のない者の火遊びでは危険性は段違い。台湾有事発言や日本人ファーストなどの思想は、まさにそうした危険が迫ってきていることを示してはいないだろうか。「戦争の処理さえも終わっていない」は至言。ヒロヒトの戦争責任を追求すべき。

  • 二人娘の父

    今年は大田昌秀生誕100年である。ある意味で沖縄の100年間を象徴する人物であり、その存在感は褪せることはない。鉄血勤皇隊員時代、戦後の日留・米留時代、学者から政治家へ。激動の人生を膨大な著作と記録から辿る本書は、「大田昌秀についての初の本格的評伝」という著者の自負に相応しい内容といえる。知事時代に担った重責の故、保守からも革新からも信頼され、また厳しく批判されたことも分かり、苦渋の姿は、映画「太陽(ティダ)の運命」で描かれていた通りだ。愛飲していたシーバスリーガルのソーダ割りをいつか沖縄で献杯したい。

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