Product Details
ISBN 10 : 4871687309
Content Description
「声が届かず騒がしい保育室から、子どもの声が自然に響き合う環境へ」
保育現場で子どもが泣いたり部屋から飛び出したりする行動の背景には、「音がつらい」「その部屋の響き方が怖い」といった要因が潜んでいるかもしれません。
本書では、そうした子どもたちにとっての「音の世界」を想像しながら、少しでも居心地のよい環境を整えるための視点をお伝えします。
●本書のポイント
<1>新築園舎であっても音の問題が多い
ガラス張りの大きな窓や吹き抜け空間、木をふんだんに使った内装など、視覚的に美しいデザインの園舎は全国に増えています。
ところが、そうした素材の多くは音を反射するため、結果として音が響き過ぎ、子どもの声やおもちゃの音が増幅されてしまうのです。「見た目は素晴らしいのに、なぜか落ち着かない」「なんとなく耳が疲れる」といった現場の声は、まさに音環境の影響を反映しています。
<2>解決のポイントは「吸音」にあり
「部屋が響き過ぎる」問題への対策としては、「吸音」することが有効です。「吸音」とは、音を吸い込むのではなく、子どもの大切なつぶやきを聞くために余分な響きを消すことです。まずは、保育室の内装(天井や壁など)に吸音する材料を使うことが大切です。また、大がかりな工事を行わなくても、吸音材を貼ったパーティションやボックスなどで「吸音コーナー」をつくったり、カーテンを「吸音カーテン」に変えるなど比較的簡便な方法もあります。
<3>音環境の改善を体験した現場の先生方の声
「騒がしさが低減し、言葉を聞き取りやすくなった」
「吸音した部屋から吸音されていない部屋に戻ると、音が気になって仕方がない」
「音のことをわかるようになると、子どもの苦しみや気持ちがもっとわかるようになりました」
「職員自身も、自分の声が大きいのではないか、とか、色々な気付きが得られました」
「保育の助けになると思います」
上記の先生のコメントにもあるように、一度、音のことを意識するようになると、いろいろな所の「音環境」が気になるようになります。人は、新しい「見方」や「視点」を手に入れると、これまで気にならなかったことが突然気になりだすことがありますが、まさに「音環境」はそういうタイプのものです。
本書には、「吸音による聞こえ方の違い」などを体感的に理解できる複数の動画(QRコード)が付いていますので、ぜひ「音の世界」を体験してみてください。
【著者紹介】
野口紗生 : 浜松学院大学地域共創学部講師。一般社団法人こどものための音環境デザイン理事。早稲田大学人間科学部人間健康科学科卒業、同大学院国際情報通信研究科博士課程修了。博士(国際情報通信学)。専門分野は、発達・教育心理学、音響学、保育環境・学習環境。学生時代より「子どもと音」をテーマにした保育施設のフィールド研究に取り組むほか、近年は子どもの想像遊びやアート活動の意味に関する国際研究プロジェクトにも参加している。早稲田大学人間科学学術院助手、明治大学研究・知財戦略機構研究推進員を経て、子育てに奮闘しながら、研究・教育活動、そして研究成果を社会に発信するアウトリーチ活動にも力を入れて取り組んでいる
船場ひさお : 駿河台大学メディア情報学部教授。一般社団法人こどものための音環境デザイン代表理事。九州芸術工科大学芸術工学部音響設計学科卒。千代田化工建設(株)などにおいて多数の公共空間の音環境デザインを担当の後、九州大学大学院芸術工学府 博士後期課程修了。博士(芸術工学)。専門分野は、騒音制御、建築音響、音環境のユニバーサルデザイン。こども施設の音環境設計、音や音楽と地域デザイン・地方創生、ユニバーサルデザインコンサートなどの研究・実践に取組む一方、一般社団法人こどものための音環境デザインを設立。全国のこども施設の音環境改善や保育者研修、ワークショップなどに奔走している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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