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100分間で楽しむ名作小説 みぞれ 角川文庫

Kiyoshi Shigematsu

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041152522
ISBN 10 : 4041152526
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2024
Japan

Content Description

晩年を迎え、体が動かなくなった父親に複雑な思いを抱く43歳の息子。心配する半面、迷惑という気持ちがせりあがり、両親の死まで冷静に見つめるようになってしまった。冷酷で冷徹な息子なのかと自身に落胆しながらも、ずっと考えていることがある。お父ちゃん、生きていることは、楽しい――?人生の大切なものを見つめ直す時間をくれる3作品。

【著者紹介】
重松清 : 1963年岡山県生まれ。出版社勤務を経て執筆活動に入る。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞、14年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 水色系

    「100分間で楽しむ名作小説」シリーズ。高校生のころよく読んだ作家さんで、久しぶりな気がする。100分間とあるが、体感1時間も経ってないかも。その短さながら手に取るようにわかる繊細な心理描写が、唯一無二の書き手であることを示している。最もよかったのは、表題作「みぞれ」。親が心配な気持ちも効率を重視してしまうのも、不便とわかっていながら子の助けを借りず暮らしていこうとする年老いた親の気持ちも、みな一様に人間臭いのである。

  • 脳梗塞の後遺症の残る父とその息子の『みぞれ』含めた家族に纏わる3作の短篇集からなる作品で、100分と言わず30分程で読了。どの話も家族の存在の有り難み以上に、家族がいる事で発生する負の面(介護を要する頑固な父との確執、自分を優先し家族を捨てた母親の死、デリカシーのない義弟との付き合い)が全面に押し出され、総合的に家族について考えさせられる作品でした。自分が苦労をさせられながらも、家族を思いやる余裕を私はこの作品の登場人物のようにもてるんだろうか…。

  • 優良児

    さらっと読める短編集。3篇の中で気に入ってるのはタイトルにもある「みぞれ」。 決定的な出来事は起こらないけれど、情景描写がとても自然で他人の記録を覗き見てるみたいなリアリティと没入感があった。 理屈では主人公が正しいんだろうけど、人間として生きている以上、両親のように感情を優先することの方が幸せにつながるんだろうな、、ハラハラさせられるけど。

  • dachshund

    本当に100分程度で読み終わりました。3つの短編小説。それぞれ家族にまつわる話であり、辛辣な内容ながら最後にはすこしほっとできるストーリー。おすすめです。

  • 2000

    かき氷のみぞれは美味い。それは真夏から見れば、半泣きのみぞれ景色もリアリティーを持たないから。寒いとか憂鬱だとかとは切り離されるから。まだ老いるということを、体が不自由ということを、現実に体験していない人には、老いはリアリティーを持たないのだろう。年老いた父親の望みはなんなのだろうか?どのように生きて、いつ死にたいのだろうか?父が真に思っていることはわからない。しかし、父親は、わかってもらえないことをそんなに悲しんではいないと思う。少し気まずくギクシャクしつつも時間を共有するその時こそが、多分、望むもの。

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