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患者と目を合わせない医者たち 新潮新書

里見清一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784106110924
ISBN 10 : 410611092X
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

医療技術は着実に進歩し、難病治療も可能になった。セカンド・オピニオンやインフォームド・コンセント、情報開示やAI活用もいまや当たり前だ。にもかかわらず、患者の不安が一向に減らないのはなぜなのか。現場で感じる「高邁な理想論」と「非情な現実」との乖離、そしてその狭間で治療を続ける臨床医の本心とは――。患者やその家族と向き合う診察室では語りえない医師たちの苦悩、医療の実情を鋭く切り出す。

【著者紹介】
里見清一 : 1961(昭和36)年鳥取県生まれ。86年東京大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院内科などを経て日本赤十字社医療センター内科系統括診療部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • mukimi

    目次がどんぴしゃで興味深くて購入。各章の結論が時に飛躍してるためにちょっと待って1言言わせてくれ!と思う箇所もちらほらあるが、予後告知や安楽死などグレーな問題にも積極的に切り込み、膝を打つ学びをたくさん得た。確かに医学生は医療のお金のことは習わないし、人を救う方法ばかり習って、人は全員死ぬという常識が抜け落ちているというのも少し前の我が身を顧みて納得。医者の働き方、労働の価値についての言及は、医師としてのやりがいに迷い始めている自分を客観視でき、同僚やかつての職場への違和感に答えを与えてくれた。

  • neimu

    色々思い当たることが多すぎて、哀しくなる。別に医者に限らず、看護師も相当酷いのに当たって、母の寿命は理不尽に縮まったと思う。常識が通じない。医療の常識と患者の常識は異なる、断絶している。架け橋に当たるはずのコミュニケーションは説明義務とどうせ死ぬから治療しても無駄という投げやりな態度のせいで、患者側の家族を引っかき回す。しばしの安息、苦しみを和らげて貰った、しばし家族の時間が持てた、悪化する一途で寛解の時間が取れて良かった。ささやかな患者側の期待や希望は、此方を正視する力のない医療者の圧に潰される。

  • ピンガペンギン

    P71 大腸、乳腺、子宮、肺などのがん検診は有効性が証明されているが、他は死亡率低下の効果がない。P80 マンモグラフィはかなり微妙だ。胸部レントゲンよりも放射線被爆が多い。20代女性が胸やおなかのCTをとれば、被爆で数百分の一で発がんリスクあり。知り合いが乳がんになったけど直前の検査では分からなかったらしい。日本赤十字社医療センター内科系統括診療部長の医師による本で、週刊新潮連載。

  • haruka

    患者は安い薬よりも、ほんのわずかに余命が延びる"かもしれない"超高額な薬に飛びつく。だって他人のお金(税金)だから。 製薬会社の思惑もあって、日本の医療費は膨大に。 寿命が先に来そうな高齢者にも、副作用を考慮せず高額な抗がん剤が投与される。 著者が「これ以上現役世代から取るな」 と書いてくれて嬉しかった。 では今後どんな改革が必要か。 イギリスのような「費用対効果の高い薬は保険、低い薬は自費」という仕組みが良いと思う。そのためには国民も、…私も、他人のだけでなく自分の無駄にも厳しくならなきゃなと思った。

  • フリウリ

    医療費に関しては、前期・後期高齢者の一律3割負担と、超高額薬剤の保険適応の再考は、制度持続のために考慮すべきと思います。有限な医療資源をどう割り当てるかは、倫理的に困難な判断が問われますが、真摯な議論と政策を実施しないとやがて皆が困ることは目に見えています。医学の進歩で生き延びられる人は増えても、人はいずれ必ず死ぬ。個人的には、長く生き延びればそれだけ幸せになるとはいえないこと、1秒後が私にやってくることすら不確定なことを肝に銘じ、できるだけ「よい死」に出会うためにどう準備していくか、が課題です。7

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