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賢人と奴隷とバカ

酒井隆史

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784750517872
ISBN 10 : 4750517879
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

時代を「象徴」する言説に潜む“大衆への差別的なまなざし”。資本主義×知識人が一体となって管理・支配しようとする現状を問い、近代社会の土台に存在する、無名の人びとが蓄積してきた知や技術に光を当てる。

目次 : 1 無知と知、あるいは「大衆の恐怖」について(現代日本の「反・反知性主義」?/ 「反知性主義」批判の波動―ホフスタッターとラッシュ/ ピープルなきところ、ポピュリズムあり―デモクラシーと階級闘争/ 「この民主主義を守ろうという方法によってはこの民主主義を守ることはできない」―丸山眞男とデモスのカ能/ ー九六八年と「事後の生(afterlives)」―津村喬『横議横行論』によせて/ 「「穏健派」とは、世界で最も穏健じゃない人たちのことだ―「エキセン現象」をめぐる、なにやらえらそうな人とそうじやない人の「対話」)/ 2 だれがなにに隷従するのか(「放射脳」を擁護する/ 「しがみつく者たち」に―水俣・足尾銅山・福島から/ 自発的隷従論を再考する/ 「自由を行使する能力のないものには自由は与えられない」―二〇一八年「京大立て看問題」をどう考えるか/ 「中立的で抑制的」―維新の会と研究者たち/ 「この町がなくなれば居場所はない」―映画『月夜釜合戦』と釜ヶ崎)/ 3 この世界の外に―抵抗と逃走(「ブラジルでFIFAのブレザーなんて着たがるヤツはいない。殴り倒されるからだ」―二〇二〇年東京オリンピックをめぐる概観/ 戦術しかない/戦略しかない―二〇一〇年代の路上における二つの趨勢/ 「わたしは逃げながら、武器を探すのです」―ジョージ・ジャクソン、アボリショニズム、そしてフランスにおける「権力批判」の起源について/ ポリシング、人種資本主義#BlackLivesMatter/ パンデミックと〈資本〉とその宿主/ 「世界の終わりは資本主義の勝利とともにはじまった」―文明に生の欲動をもたらすもの/ すべてのオメラスから歩み去る人びとへ―反平等の時代と外部への想像力)

【著者紹介】
酒井隆史 : 大阪公立大学教員。専門は社会思想史、都市社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • hiroizm

    「負債論」「万物の黎明」などディビッド・グレーバーの翻訳でも知られる社会思想史学者の、一般誌に掲載された硬派な社会時評エッセイ集。主たる論調は196,70年代から現在まで社会に影響を与えている新自由主義思想に対する批判だが、その内容は反知性主義、大衆論、ポピュリズム批判、日本社会の保守化内向化現象と幅広く深い。大阪維新の政策に賛同を示した日本の社会学者の対談を事例に上げつつ、中立穏健を主張しながら結局は保守派の片棒を担ぐ穏健派批判など、最近話題の極中道論が印象に残った。

  • Mc6ρ助

    『なぜ日本ではCOVID- パンデミック初期の時点で、PCR検査と隔離というグローバル標準の方法が避けられたのだろう。・・海外の諸国で標準的にみられた施策は、可能なかぎり感染を食い止めるために緊急に病床を増大させること、たとえば、プレハブの病院を建築する・・などがおこなわれた。・・わたしたちのこの日本が異様だったのは、・・あいかわらず医療崩壊を避けるためといった口実をそのままに、感染症対策を最低限ですませようとしたことである(p432)』理由は述べられているはずが、難しく、爺さまには理解が及ばない、日本。

  • Satoshi

    秀逸なタイトルのエッセイ集。様々な媒体に投稿されているが、大阪維新といった歪んだポピュリズム批判という点は一貫性がある。大多数の意見に追従し、弱者の抵抗を冷笑する知識人。右でも左でもない中道のエクストリームが問題である。支配者は二元論を持ち出す。その手口に嵌まらないように気をつけたい。取り急ぎ、アシュラ・ル・グインの風の十二方位を購入しよう。

  • takao

    ふむ

  • ひつまぶし

    二項対立を突きつける側に立つことで支配権を握ろうとする輩の手口に乗らずにどう対抗するのかを、様々な事例から考察し、示唆を与えてくれる。上っ面の議論ではなく、根源的なところを理解した上でなければ、実際の現象を読み解くことはできない。「健全な病理形態」としてのポピュリズム理解、運動から闘争を解放するための「戦術がすべて」という立場、ウイルスのように人間に寄生しながらも、宿主を全滅させることもいとわない〈資本〉というものの性質など、心得ておけば世界の見え方も立ち向かい方も刷新できるであろう教訓が満載だった。

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