さらば、夏の光よ 講談社文庫

遠藤周作

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784061317833
ISBN 10 : 4061317830
フォーマット
出版社
発行年月
1982年08月
日本
追加情報
:
15cm,234p

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圧倒的な筆力と滲み出る人間味が遠藤周作の...

投稿日:2021/04/10 (土)

圧倒的な筆力と滲み出る人間味が遠藤周作の持ち味ではないでしょうか。人ってこんなに残酷になれるんだということを、日常と平凡な市井の人々を書くことで読む者に深く深く刻みつけてしまう。ページを繰る手が止まりません。

ゆめゆめゆめ さん | 福岡県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 新地学@児童書病発動中 さん

    メロドラマのような三角関係を描く長編小説。親友の南条の恋人戸田京子を密かに想い続ける、冴えない男野呂の胸の内が切ない。南条が死んだ後、妊娠してしまった京子の名誉を守るために、野呂は結婚を申し出て受け入れられるのだが、京子は野呂に心を開くことができない。不器用な愛情で京子を支えようとする野呂に、イエス・キリストの姿を重ねて読んだ。この世に生きている間は、野呂のような(そしてイエスのような)純粋な愛情に気づくのは、難しいことなのかもしれない。美しく、気高く、重い主題を投げかける素晴らしい物語だった。

  • 優希 さん

    とても悲しい物語でした。善意や誠意があっても「愛」は残酷になりうるのですね。不器用が故に一人の女性に尽くしながらもその想いは報われない。いくら愛していても親のため、お腹の子のために結婚という選択をし、その愛を手放さなければならないときもあるのですね。自分では変えることのできない運命。愛の孤独と絶望を優しい眼差しで描いているように感じます。そこに人の人生も見据えながら。

  • ばりぼー さん

    およそ30年ぶりの再読。初読の時の衝撃が蘇りました。チビ・デブ・のろまな野呂が密かに恋する女性を、友人のモテモテ南條があっさり自分の婚約者に…。炙り出しのラブレター(笑)などというアホな発端で、軽い通俗小説を装いながら、人間のエゴイストぶりを嫌悪感たっぷりに浮き彫りにし、深く重くグイグイ迫ってきます。見かけで人を差別してはいけないというのは大人の「良識」であって、現実には容姿の醜さは人種や出自以上に手軽に差別のネタにされるもの。読後込み上げてくる、この冷たい怒りのような感情の塊を持て余しています。

  • ひなきち さん

    どんなに善意や誠意を尽くしても……なのか。ときに「愛」は、残酷。運命という響きが哀しい。どうしようもない、と…ひたすら哀しかった。善人であるがゆえ不器用で報われない青年を、遠藤周作氏が優しさを込めて書いている。純度の高いグラスのような…物語だった。あの…グラスに映る風景はきっと誰の心にもある。だからこそむやみに触ってはならない。そっと、記憶の棚に仕舞おう。さらば、夏の光よ…。

  • ノンケ女医長 さん

    たくさんのことを考えさせられる素晴らしい作品だった。結婚式の当日、お腹に宿した子供の父親を想い続け、新郎へは固く心を閉ざし続けていた戸田京子。新婚旅行や新居での生活は、本当に不愉快そうだ。その後、思いもよらぬ不幸によって、京子は晩秋の山に入って行った。幸福を突然奪われ、他に生きる方法を模索できなかったのだろうかと思う。また、「どんなに努力しても一人の女性から愛してもらえないのでしょうか。顔のみにくさや体の不恰好はぼくの罪でも責任でもないのです」(202頁) と手紙に綴る野呂に、安寧の日々が来ることを願う。

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人物・団体紹介

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遠藤周作

1923年東京生まれ。慶應義塾大学仏文科卒。学生時代から「三田文学」にエッセイや評論を発表。55年『白い人』で芥川賞、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。95年文化勲章受章。96年9月、逝去

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