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正しき地図の裏側より

逢崎遊

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087718638
ISBN 10 : 4087718638
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2024
Japan

Content Description

「耕一郎は絶対、幸せになる資格があるからね」定時制高校に通いながら、無職の父に代わり働く耕一郎。一九九四年一月、彼は苦労して貯めた八万円が無くなっていたことに気づき、父に問い質す。すると、金を使ったことを悪びれもせずに認めた上、予想を超える衝撃の言葉を言い放った。衝動的に父を殴り飛ばした耕一郎は、雪の中に倒れた父を放置して故郷を逃げるように去る。しかし僅かな所持金は瞬く間に減り、逃亡生活は厳しくなる一方。遂に金が底をつき、すべてを諦めようとしたそのとき―。「…なに、訳あり?」公園の隅、ホームレスの溜まり場から、ひとつの手が差し伸べられる。青年は、出会いと別れを繰り返す。残酷な現実を乗り越えた先、故郷へと帰る決意を固めた彼を、待ち受けていたものは―。第36回小説すばる新人賞受賞作。

【著者紹介】
逢崎遊 : 1998年、沖縄県生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。2023年、本作で第三六回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • シナモン

    思い違いがもとでわずかな所持金を手に故郷を逃げるようにあとにした主人公のその後の数奇な人生の物語。社会から自分の存在を消し、どこまでも落ちていく姿に目が離せなくてぐいぐい引き込まれた。どん底生活でのさまざまな出会いと別れ、そのたびにわきあがる感情が丁寧に描かれる。過酷な生活のなか、温かい人と人との繋がりに感動でした。

  • ゆりあす62

    ★★★★☆ 回り道。心ない父の言葉に父を殴り、雪道に放り出し家を出た主人公。定時制の高校に通っていた。戸籍もなく未成年。父殺しで警察に追われているかも知れないという恐怖から浮浪者に。そこから始まる彼の人生はある意味学び。好きな地図を見ることに例えれば、いろいろな生き方を、人の旅を見せて貰っているようなもの。彼の回り道のような人生も他の人の人生を見て、その人の心に触れて気づくこともある。どの道が正しいのか分からないし、ましてや、早道なんて無い。現実を受け入れた彼のこれからの生き方が大切だ。

  • シャコタンブルー

    「これがデビュー作とはまた凄い作家が誕生したものだ」多分この文言は5回くらいこのレビューで発していると思う(笑)高校生の耕一郎の刹那的で愚かな行動がもたらす悲喜劇を存分に堪能した。人の道からドロップアウトしてしまう経緯と拙い思考があまりに悲しい。それでもホームレスになっても一途で優しい性格が幸いして周囲に助けられ日々を生きていく。「世界を悪者にしてはいけない」誰かのせいにしたり悲観しない姿勢に共感しエールを贈った。魅力溢れる登場人物と巧みな構成もよかった。まだ20代の作者の素晴らしい才能に乾杯。

  • よつば🍀

    第36回小説すばる新人賞受賞作。1998年生まれの若い作家さんだが、デビュー作とは思えない抜群のリーダビリティで一気読み。主人公は定時制高校に通いながら無職の父に代わりバイトに明け暮れる井口耕一郎。ある事がきっかけで故郷を離れ、彼の逃亡生活が始まる。わずか10代でホームレスとなった耕一郎。過酷な日々を送る中で出逢った人々の情の深さと温かい交流に何度も涙が込み上げた。いくつもの出会いと別れを繰り返し、意を決して帰郷した耕一郎を待ち受ける真実に胸が一杯になる。そんな愛情表現があるなんて。ラスト二頁で涙腺崩壊。

  • アーちゃん

    第36回小説すばる新人賞受賞作。1994年、酒飲みで無職の父親に代わり働きながら定時制高校に通う井口耕一郎。貯めた金を使われ、ある言葉を言われた耕一郎は父に暴行をはたらき、故郷の町を出てしまう。ホームレス生活を始めとした紆余曲折の果てに耕一郎を待ち受けていた事実とは。全体に勢いのある物語で、細かいところでは色々とあるが最後までしっかり読ませてくれる。特にホームレスの男たちや相葉のおっちゃんがいい。最初は青臭かった耕一郎も徐々に成長している経過がわかる。次作が楽しみです。

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