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地方暮らしの幸福と若者

轡田竜蔵

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784326654079
ISBN 10 : 4326654074
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2017
Japan

Content Description

若者研究の「サイレント・マジョリティ」に光を当てる。豊富な社会調査データから、地方暮らしの幸福に注目が集まる時代を検証。日本の若者研究の文脈と、「地方暮らしの幸福」に関する議論の文脈とをかけ合わせた問題意識から出発し、地方暮らしの諸側面を総合的に捉え、その社会的課題を考察。広島県内の「地方中枢拠点都市圏」(安芸郡府中町)と「条件不利地域圏」(三次市)の二つの自治体の若者(二〇〜三〇代)への質問紙調査とデプス・インタビュー調査から答えを探る。

目次 : 第1部 総論・理論編(総論:「地方暮らしの幸福論」の時代と若者/ 「地方暮らしの若者」の社会的実態の分析視点/ 「地方暮らしの幸福」の規定要因―広島二〇〜三〇代調査の統計分析から)/ 第2部 各論・事例分析編(地元定住/地域移動の事例分析(地方中枢拠点都市圏(安芸郡府中町)の場合/ 条件不利地域圏(三次市)の場合)/ ライフスタイル―田舎志向と地方都市志向のあいだ/ 働き方―「安定志向」とそのオルタナティブ/ 社会関係―ソーシャル志向と社会感覚)/ 地方暮らしの幸福の成立条件

【著者紹介】
轡田竜蔵 : 1971年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程(専門分野・社会学)、日本学術振興会特別研究員を経て、吉備国際大学大学院社会学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • まろん

    地方暮らしの幸福の研究。本書では広島の三次市、府中町に住む人(20〜30代)への調査から経済学視点で緻密に研究、分析をしたもの。幸福度は「住む場所」で決まりそうで決まらないのかも。結局は本人の満足だろうなと思ったが、やはり育った環境と経済力と学歴で大きく左右する。シビアかつリアルですごい良い本だった。

  • まゆまゆ

    地方で暮らす20〜30代の若者の生活実態から若者の幸福について論じる内容。結論としては地理的要因よりも個人の社会的構成の違いが重視され、いわば場所よりも「居場所」が幸福に大きく関わるということか。確かに車でちょっと移動すればモール等々遊んだり買い物できる場所があれば満足度は高まるだろうけどね。

  • sk

    地方暮らしの若者の幸福について、社会学的に分析した興味深い本。各種データを駆使しながら説得的な論の展開。社会学のお手本。

  • kenitirokikuti

    〈自分の趣味には「おたく」的要素がある」と回答するのは、子無しの二〇代男性に多く、その過半数を占め(府中町六一・六%、三次市五五・四%)、ACG文化の影響力がうかがえる〉p.258、注(1)。予想よりずっと多かった▲マツダ財団からの委託研究が基礎で、調査対象地区はマツダ本社のある広島市「内」の府中町、同社の工場がある三次市▲「東京と地方」という対比は過去のもので、少なくとも21世紀初頭の日本の現実には合わないようである。地方都市や過疎地の若者が、守旧派の価値観を持っているということはないそうだ。

  • お抹茶

    広島県府中町と三次市のフィールドワークで,地方暮らしの若者の幸福感が社会的属性と結びつきながら分岐していることを示す。地域満足度を規定する地域変数のかなりの部分が,消費環境と交通アクセスの便利さの格差から説明される。公務員は,経済的には充足していても,存在論的な意味で充足しているとは言えない。大都市は,居住経験の有無に関わらず,遊びに行く場所で住む場所ではないという評価が大勢を占める。「物の豊かさよりも心の豊かさ」というのは地方で働く若者の多数は否定的だが,無理をしないで働きたいという人は多い。

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