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魔軍跳梁 赤江瀑アラベスク 2 創元推理文庫

赤江瀑

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488505059
ISBN 10 : 4488505058
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

不世出の作家が幻視した、人と魔の織りなす情念の世界。嵯峨の野の奥、化野の呼ばれる風葬の地で、孤独な女の前に現れた二人の美童の幻影―過去の愛憎への妄執と極限の恋を描いた「花曝れ首」。老いた閨秀画家と料亭の先代女将、幼なじみの二人を結ぶ絆と相克を描く「隠れ川」ほか、第二巻には半数以上が文庫初収録となる十七の幻想怪奇短編に加え、エッセイ十四編を併載する。

目次 : 花曝れ首/ 宵宮の変/ 月迷宮/ 徒しが原/ 玉の緒よ/ 春喪祭/ 階段の下の暗がり/ 月曜日の朝やってくる/ 悪魔好き/ 魔/ 緑青忌/ 隠れ川/ 闇の渡り/ 海婆たち/ 雀色どきの蛇/ 坂/ 八雲が殺した/ エッセイ(筆の文句/ 水の世界/ 踊れ、と彼が言ったような/ 月夜の晩にピエロどの/ あやかしの鼓への辞/ 首塚の酒/ 世阿弥の〓風/ 鳥辺野のこと/ 花前の京で/ 火と水と草花の儀礼/ 熊が出る夢/ 夏日徒然/ 引出しの中/ 春を探す)

【著者紹介】
赤江瀑 : 1933年山口県生まれ。日本大学藝術学部演劇科中退。在学中の詩の同人誌「詩世紀」に参加。中退後は放送作家として活躍していたが、70年「ニジンスキーの手」で第15回小説現代新人賞を受賞し、作家デビューを果たす。以降精力的に短編、長編を発表し、73年「罪喰い」が第69回直木賞候補となる。74年『オイディプスの刃』で第1回角川小説賞を受賞。84年『海峡―この水の無明の眞秀ろば』『八雲が殺した』の両作品が第12回泉鏡花文学賞を受賞。美や芸術に潜む魔を独自の筆致で描き、現在でも熱狂的な支持を得ている。2012年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    「花曝れ首」収録のこの巻が出るのをどれ程、待ち侘びたか・・・!「好いた男とみる修羅や。おちる地獄や。おちとみやす」。この言葉をまた、目することができた時、身体の奥から震えた。六条御息所と同じく、激しい情念に身を焦がし、執心する姿。それは時として浅ましさを凌駕する。その抱きしめたくなるようないじましさや錐揉みされた情念が噴き出す一瞬の壮絶な美しさ、それを甘受する姿に私達は揺さぶられ、ひれ伏すしかないのだ。「地獄におちる」という事をここまで蠱惑的に描いた作品は、ない。赤江瀑の美酒に酔いしれずにはいられない。

  • あ げ こ

    土地の幻想、場所の、空間の、古都の幻想、春の、夏の、四季の幻想、花の幻想、或いは光、陽光の、月の幻想。しぶき、溢れ出で、飛び散る、熟れて匂い立つ、それらの幻想。狂わせるもの。棲んでいて、長く永く、古くより、潜んでいて、染み付いていて、一部と化していて、気付いた者をのみ、とらえるもの。呼応する者をのみ、逃さぬもの。魔性。魅了されるということは、酩酊を受け入れるということは、共におちていくということだ。共にそこへと至ること。それは必ずしも陰惨に、という訳ではない。悲痛な、叫びや摩擦を必ずしも伴う行為ではない。

  • ふくしんづけ

    〈「さあ、見ろ。見て、観賞をしろ。ここに、何があるか。どれほどの、見るべきもの、観賞に値するものが、存在するか。展開されているが。それを、考えろ」〉00年代の一編、『玉の緒よ』からの引用であり、この時期の著作は数冊分読んでいて、枯れの印象が強かったのであるが、この一文には初期から一貫しているものが感じられた次第。熱さ、ともすれば、クサさ。血が通っている感じである。全体的に、落ち着いた時期の作品が多く、70〜80年代の作品も、『月曜日の朝やってくる』『悪魔好き』など赤江作品としては変わり種らしいもの。

  • ハルト

    読了:◎ 作家の個性というものがある。短編ひとつ、エッセイ一編読むだけで、強烈にその魔に浚われそうになる。禍々しくも妖婉でなまめかしい。月明かりの下、魑魅魍魎に目を奪われる。そんな心の闇を耽美に婉然と書く。そして凄絶な闇に囚われそうになる。エッセイは夢の話が印象的だった。赤江作品には、どこか夢の茫漠たる寂しさがあるように思える。小説は、どれもがよかった。老人介護を扱った「坂」が、夢を見て恍惚となるのは、老齢者のがよりその成分が強いのではないかと思った。

  • YH

    赤江さんの世界には京ことばがよく似合う。どの作品も少し仄暗く、妖しい雰囲気で好き。情念を現すのに、京ことばって見事にマッチする。

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