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東北学 / もうひとつの東北 講談社学術文庫

赤坂憲雄

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062922685
ISBN 10 : 4062922681
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2014
Japan

Content Description

ブナの森に抱かれ狩猟、採集、焼畑などの畑作を複合的に営む山の暮らしを、数年に及ぶ聞き書きに拠って掬い上げ、縄文以来、東北の地に堆積してきた稲作以前の種族=文化の重層的なありようを「腑分け」する。柳田国男の一国民俗学の可能性と限界を問い、その枠組みの北辺とされた東北を、南/北の方位に向けての多数性を孕む最前線と位置付ける。

目次 : 第1部 森と野はらと畑の世界(稲作以前とは何か/ 食の文化の深みへ/ 山野の民俗誌を織る/ 狩猟の原風景を求めて)/ 第2部 それぞれの帰郷の時代(野辺歩きの旅から/ ほんたうの賢治を求めて/ 可能性としての民俗学へ/ 棄郷と帰郷のはざまに)/ 東北ルネッサンスのために

【著者紹介】
赤坂憲雄 : 1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。学習院大学教授。福島県立博物館長。民俗学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • うえ

    本書も著者の問題意識の発展が著しい作品。「後期の柳田にとりわけ、稲作一元論的な志向が色濃く見いだされることは否定できない…柳田をいかに批判的に継承してゆくのかというモチーフに絡んで…稲作文化を相対化するために…畑作文化の掘り起こしと復権を企てることが…その方法として選ばれてきた」「餅なし正月の習俗を手掛かりとして、坪井(洋文)は稲を選ばなかった日本人が広く存在したことを浮き彫りにした…しかし、近年、大林太良によってたいへん重要な批判が提起されている…それは…水稲耕作文化の一部としてすでにあったものだ、と」

  • おせきはん

    稲作を中心に日本の文化を見ると、寒冷な気候やブナ林の恵みなどの影響により狩猟・採集の文化が根づいていた東北は辺境ということになるのでしょうが、山間部ならではの生活文化に日本の多様性を垣間見ることができました。

  • Jムーン

    著者は、柳田国男が東北の歴史のなかに、“中世のなつかしい移民史”だけを見たのに対し、「古代蝦夷(エミシ)の末裔たちはどこへ消えたのか。東北のいまを生きる人々は、そのすべてが中世の南からの移住者の子孫であるというのか・・・」と問う。そして東北の今に縄文から続くものを探そうとしている。本書は2014年刊行だが、納められた文章は1993〜1998年のもの。さらにその後を読んでみよう。

  • amishima

    ここ数年続けている東北旅行のヒントになればと思い、『忘れられた東北』『もうひとつの東北』を続けて読みました。自らへの叱咤激励、決意表明に満ちた感傷的な文章が独特でしたが、筆者ですら答えを見つけあぐねる「東北学」の多面性に、かえって旅情をそがれてしまいました。自分は、筆者が執拗に批判を繰り返した柳田国男や松尾芭蕉と同じような「辺境ロマンを求めるだけの都びと」でしかないのかも知れませんが、下北半島で、背の高い雑草が生え広がるだけの荒野をはじめてみた時の違和感の理由が、本書を読んで分かったような気がしています。

  • Nunokawa Takaki

    民俗学の本は読んでいて楽しい。なぜなら自分の地元は田舎で自然が多く、どんな場所にいてもその本を読めば地元が思い出されるからだ。新潟が地元だがかなり北で山形に近い。この本では、東北の文化について語っている中で新潟の北の地域も紹介しており、うちの地元も同じような文化で歩んできたんだと認識した。都市が最先端で地方は遅れていると思われがちな風潮を打開してくれたのは小気味よい。日本の歴史上、都市というのは地方から生まれたらしい。地方の方が全然先輩なのだ。もう都市は飽和状態じゃん、といって皆地方に移ったらいいのに。

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