青の炎 角川文庫

貴志祐介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041979068
ISBN 10 : 4041979064
フォーマット
出版社
発行年月
2002年10月
日本
追加情報
:
15cm,495p

内容詳細

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏みにじる闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。自らの手で曾根を葬り去ることを…。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。

【著者紹介】
貴志祐介 : 1959年、大阪生まれ。京都大学経済学部卒。生命保険会社に勤務した後、フリーに。96年、「ISOLA」が第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり、『十三番目の人格―ISOLA―』と改題し、角川ホラー文庫より刊行される。翌年『黒い家』で第四回日本ホラー小説大賞を受賞、同作は一〇〇万部を超えるベストセラーになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

総合評価

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これほど犯人を応援、逮捕されなければいい...

投稿日:2021/06/19 (土)

これほど犯人を応援、逮捕されなければいいなと思ったミステリー小説は今までないです。どんな理由にしろ殺人はいけない行為。他に方法はなかったのかとも思いますが、少年の気持ち、家族に対する思いやりが強く伝わり思わず味方になっていました。ラストは悲しい。本当に胸が締め付けられました。この小説は少年犯罪の名作だと思います。

Yuki さん | 神奈川県 | 不明

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主人公が父親と同級生を殺して、警察に事情...

投稿日:2021/04/24 (土)

主人公が父親と同級生を殺して、警察に事情聴取をされたりするところを読むたびに、犯行がばれないかと、ドキドキします!しかも、父親を殺した理由には、とても感動しました…! ぜひ、皆さんにも読んでいただきたいです!

luu さん | 岐阜県 | 不明

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少年の心理描写が上手い。追い込まれてそう...

投稿日:2021/04/20 (火)

少年の心理描写が上手い。追い込まれてそうする他なくて犯罪に手を染めてしまったはずなのに、自分で自分を追い込むようになっているような…。苦しくなるが最後まで読み進めたくなる。

コサカ さん | 千葉県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • サム・ミイラ さん

    読み終えた後様々な思いが溢れ、また最後の文章が映像のように頭から離れなくなり眠れなくなってしまった。大義があってもそれが殺人ともなれば、成功しても失敗しても罪の重さに一生涯苦しみ続ける。普通の生活には戻れなくなる。期せずして秀一もそれを味わう。まさかこんなはずではなかった。計画を練る高揚感、追い詰められる息苦しさ。読者も秀一と同じ苦しみを味わう事になる。それはとても怖い体験。少なくともこれを読んだ者は犯罪を犯す気にはなれなくなるだろう。それほどまで現実的で重く悲しく胸を締め付ける作品。紛れなき傑作。

  • takaC さん

    正に青い。

  • yoshida さん

    結末が予想できて、とても哀しく切なかった。高校生の櫛森秀一は母と妹の三人で暮らしていた。櫛森家に母と離婚したかつての義父・曾根が入り込み居座る。粗暴な曾根から、母と妹を守るため秀一は警察や弁護士に相談するも埒があかない。懊悩の末、秀一は自分が手を下すことを決意する。秀一の計画は綻びがあり、脅しや追及、そして良心の呵責に苦しむ。秀一が家族ともう少し話しが出来ていれば、このような手段を選ぶことはなかったと思う。秀一が家族を守るという気持ちが強かったからこそ起こってしまったのだろう。越えては行けない一線がある。

  • sk4 さん

    完全犯罪を目論み実行する高校二年生の、怒りと葛藤と恐れを事細かく描いている。 誰にも言えない孤独と戦い続けていよいよ追い込まれた時に、見えてなかった部分で助けてくれていた友と恋人、そして助ける決心を告げてくれた妹に気付かされて、ついには兜を脱ぐ。 万能感に踊らされて大人のフリして、最後は罪を償った後の自分の人生の絶望感に納得して一人で消える青い炎。幼い炎。 もっと視野が広かったら、もっと運が良かったら、もっと鈍感だったら、こんなに悲しい結末ではなかったはず。 胸が潰れそうでした。

  • つるちゃん0719 さん

    貴志さん初読ですが、倒叙ミステリーの名作、間違いなく傑作。昼は部活や恋愛とごく普通の青春を送りながら、夜は家族を守るため孤独な殺人計画を進める主人公。捜査の目を避けて完全犯罪を実行していく緊迫感に心臓がバクバク。後半は畳みかけるような残酷な展開が本当に切なかった。永遠の秘密を抱え、湘南の景色の中をロードレーサーで駆けて行く秀一。最後のイメージが脳裏から離れない作品でした。

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人物・団体紹介

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貴志祐介

1959年大阪府生まれ。京都大学経済学部卒。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり、『十三番目の人格ISOLA』と改題して刊行される。97年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、2005年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』

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