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戦争特派員は見た 知られざる日本軍の現実 講談社現代新書

貴志俊彦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065403808
ISBN 10 : 4065403804
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「足の悪い者や病人は濁流の中に呑まれて行く」
「状況芳しくなく、腹は決まっています」
「これが最後の通信になるかもしれません」

最前線、爆弾投下、連絡員の死、検閲‥‥
何が写され、何が写されなかったのか?
兵士からは見えなかった〈もうひとつの戦場〉

「太平洋戦争勃発の際、ハワイでの奇襲攻撃は知っていても、その数時間前に日本軍の銀輪部隊(自転車部隊)がマレー半島を南下し、戦争勃発の引き金となった事実は、少なくとも日本では風化された記憶になっている。
一方で、戦争の被害を被ったマレーシアやシンガポールでは、こうした戦争の記憶は、学校や博物館だけでなく、家庭内でも継承され続けている。戦争に関する記憶のギャップは著しい。
世界で戦争や紛争が続く中、私たちにとって「戦後」とは何なのだろうか。
果たして、戦争の記憶を継承することはできるのか。
特派員たちは現場で何を見たのか。
ひとりひとりの仕事と人生を追うことで、知られざる「戦争の実態」が見えてくる」――「プロローグ」より

【目次】
第一章 戦争は報道を変えたか
第二章 特派員の叫びは新聞社首脳の耳に届いたか
第三章 戦時下中国で記者が取材したこととは?
第四章 帝国日本の周縁で何が起きていたか
第五章 南方で軍と新聞社は何をしていたのか
第六章 「不許可」写真は何を写していたか/写していなかったか

【著者紹介】
貴志俊彦 : 1959年生まれ。広島大学大学院文学研究科東洋史学専攻博士課程後期単位取得満期退学。島根県立大学教授、神奈川大学教授、京都大学教授などを経て、ノートルダム清心女子大学国際文化学部教授。京都大学名誉教授。専門はアジア史、東アジア地域研究、メディア・表象文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    東日、大毎に(ある意味奇跡的に)残された報道写真をベースに、日中戦争からアジア太平洋戦争期の新聞報道について考察する。当然のことながら、新聞を売るということが至上な訳で、会長・社長自らが現地に飛んで軍人や外交官と交流、特派員を激励し、帰国すると多くの聴衆を集めて報告会を開く。軍や内務省による検閲もあるが、新聞社自らが自己規制というか、売らんがなのためもっぱら戦勝ムードを煽る記事が多くなる(読者が勝ち戦を好むから)。その一方で現地特派員や連絡員で戦死するものが相当数いたことも指摘される。

  • さとうしん

    戦時中の新聞社、特に従軍記者の戦場での活動を追う。前線で取材しているのだから当たり前かもしれないが、戦地で犠牲となった記者、あるいは連絡員や電信課員ら関係者が多かったことに驚かされる。新聞社の支局など報道の拠点も中国内地など意外と多く設けられていた。取材の便宜を図るべく社のトップが自ら戦地を巡って軍関係者と接触し、取材体制を構築していくといった報道のあり方、そして自発的な自己検閲部門の設置などにより、新聞社が軍部と一体化した広報宣伝機関となったことなど、現代の報道の問題とも通じるような批判も見える。

  • みさと

    毎日新聞社に残された膨大な毎日戦中写真。撮影したのは戦地に派遣された特派員たち。日中戦争勃発から敗戦までを、新聞社の特派員たちの活動を中心に見つめる。可能な限り一人一人の名前・来歴・享年を記していることに心を打たれる。確かに生きた生身の人間が戦場で見たこと、伝えようとしたことを想像しようとの気持ちになる。しかし、軍や当局による検閲で公表できなかった写真、軍への忖度により撮影すらされなかった出来事、軍や新聞社によって隠蔽された事実が膨大に存在した事実の意味こそ重い。情報の本質に迫る洞察力が今こそ求められる。

  • あられ

    当時の状況を非難することだけが正しいとは思わないが、今ならマスコミと呼ばれる記者やカメラマンたちに、ジャーナリズムを求めても詮無いことなのだろうか 紙やインクを手に入れるためにほかに方法がなかったのかもしれないが、御用新聞まるだしではないか 残された写真 残された検閲の跡 そして何より残されていないもの 取り上げもされなかったこと それに目を向けない報道機関に苦々しいものを感じた

  • 町営バス

    国民国家における総力戦において、報道と戦争遂行は不可分な存在になっていくのは了解されるところであるが、実際に派遣された特派員の労苦についてはいままで語られることが無かったように思う。戦後80年の節目に読む新たな戦争の歴史。

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