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日本の科学力が危ない 凋落の実態と国家再生の設計図

豊田長康

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784492223895
ISBN 10 : 4492223894
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

英「ネイチャー」誌が警鐘!論文数(人口あたり)、大学の研究資金、研究者数(FTE)、博士課程学生数…いずれも先進国で最低レベル。徹底したデータ分析によって競争力低下の実態を解明する。

目次 : 序章 失速する日本の科学研究力/ 第1章 学術論文数は経済成長の原動力/ 第2章 日本の科学研究力が危ない―ノーベル賞ゼロ時代の危機/ 第3章 論文数は“カネ”次第―なぜ日本の論文数は減っているのか/ 第4章 政府の科学研究政策はどうあるべきか/ 第5章 すべては研究従事者数(FTE)に帰着する/ 第6章 科学技術立国再生の設計図―イノベーション・エコシステムの展開/ 終章 研究力は地域再生の切り札となる

【著者紹介】
豊田長康 : 鈴鹿医療科学大学学長。1976年大阪大学医学部卒業。その後、三重大学医学部助手などを経て、1991年三重大学医学部産科婦人科学研究室教授。2004年三重大学学長。2009年三重大学退職。同名誉教授。同年鈴鹿医療科学大学副学長。2010年独立行政法人国立大学財務・経営センター理事長に就任。大学経営の実態や研究現場の声を徹底リサーチし、日本の科学力・研究力の危機を訴えてきた。2013年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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本書の主張は明確で、教育と研究にかけるお...

投稿日:2021/06/27 (日)

本書の主張は明確で、教育と研究にかけるお金は削るな、科学立国を維持したいなら基礎研究にも投資をしよう、である。この主張を裏付けるべく、各種公表データから教育研究とGDPの共分散構造分析を行い、GDPに対する研究投資の割合を国際比較し、国別の論文の引用状況や研究支出に占める人件費や設備費も比較する本書から。本書から見えてくる日本の研究に関する未来は暗い。他の先進国と比較しても、どの比率も大幅に劣る上に、選択と集中の名のもとに日本だけが教育と研究に対する投資を減らしている。ではどうすればいいのかのも実は簡単でGDPの成長との共依存関係がある以上、教育研究に対する投資を少なくともOECD平均までGDP比へ行うこととGDP成長を維持するためにまともな金融財政政策を続けるような政治家を選挙で選び続けることである。この20年間の投資減少を反転させるには国民の行動こそが大事なことも分かる一冊。

DJもちお さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HMax

    日本の大学研究力は惨憺たる状況にある。その元凶は大学への公的研究資金の削減が進み、先進国中最低にあること。1)研究従事者数:先進国中最低。2)文献引用指数:先進国中最低。3)博士課程学生数:先進国中最低。先進国中とあるが実際は中国よりもずっと下にある。2000年の研究開発費を1とすると、2015年日本:0.9と減速する中、米国・ドイツ:1.9、韓国:4.2、中国8.1と大幅増。科学技術庁を復活して下さい。

  • zoe

    「選択と集中」を信じてきた日本。選択した物が全て成功すると言わんばかりの楽観で。成果主義を信じてきた日本。自らは痛みを伴わず、人員削減、経費削減という簡単な事だけを実践できたと自慢する者だけが残った形で。次の何かに投資できる目利きはそれ程いなかった。何等かの小さな成果でも、出すためには最低限度のお金は必要。集中投資をしたところで、収穫逓減により非効率になる。実際に手を動かす研究従事者数に成果は現れる。論文、特許ひいてはGDPにつながるサイクルについて、どうするよ日本!

  • おせきはん

    OECDのデータを活用した国際比較等から、日本の研究力が失速してきた原因を明らかにしています。研究の量・質とも高めるには、まずは研究従事者数を増やす必要があるとの主張は、研究の質の低下につながる危険性もあるのではないかと思いましたが、研究の専門化、大規模化、国際化が進む状況を考えると納得できました。

  • erie

    大作だが論文のようなロジカルフローなので、界隈の人間にはするりと読めるはず(この内容は英語論文になっているの?)。このテーマについて言いたいことは200ほどあるが、ここでは本の評価にフォーカス。データについては読者の「こういう分析をしてみたらどうなるの?」に対する回答が大概出ていて、制限のあるデータの分析としてかなりの努力をされているとおもう。研究者たちの声に男性が多いのは母数がそうなのだろう。後半で数学がハイライトされている(よい)。結局こういう影響力のある人が声を上げるしかないわけだが、届くといいが…

  • 安藤 未空

    相関分析は因果関係を説明するものではないため、国費を科学技術に投資する説明としてはやや説得力に欠ける内容だったと思う。難しいことは重々承知しているが、「科学技術がどう国民生活に資するのか」、因果関係に近い観点から論じてもらいたかった。また、論文数が世界順位10位と20位で何が異なるのだろうか。先端技術をいち早く生み出せないのなら、明治期のように海外から知識や技術を輸入したほうがコスパが良いのではないだろうか。この本を読んで科学技術政策に関する疑問が逆に増えたような気がしている。

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