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月ぬ走いや、馬ぬ走い

豊永浩平

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065363720
ISBN 10 : 4065363721
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan

Content Description

第67回群像新人文学賞受賞!21歳の新星が圧倒的な語りで紡ぎだす、暴力と痛みの沖縄現代史。
先祖の魂が還ってくる盆の中日、幼い少年と少女の前に、78年前に死んだ日本兵の亡霊が現れる――。現役琉球大学生、衝撃のデビュー作!
「読んだものを茫然とさせ、彼のいままでを氷づけにし、そのうえで、読むことをとおしてあたらしい魂を宿らせる、そんな小説でありたい‥‥テクストでの魂込め(まぶいぐみ)とでも呼ぶべきところが、ぼくの目標です。」豊永浩平(受賞のことば)

島尾敏雄ほか先人のエコーを随所に響かせながら、沖縄に深く堆積したコトバの地層を掘り返し、数世代にわたる性と暴力の営みを、『フィネガンズ・ウェイク』的な猥雑さで、書きつけた作品。Z世代のパワフルな語部の登場を歓迎する。
―― 島田雅彦

十四章の構成で沖縄の近現代史を描き切る、しかも連関と連鎖、いわば「ご先祖大集合、ただし無縁者も多い」的な賑わいとともに描き切る、という意図はものになった、と私には感じられた。/この小説はほぼ全篇、ある意味では作者自身のものではない言葉で綴られていて、だからこそ憑依的な文体を自走させている。つまり、欠点は「長所」なのだ、と私は強弁しうる。要するにこの「月ぬ走いや、馬ぬ走い」は小さな巨篇なのだ。
―― 古川日出男

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    第67回群像新人文学賞受賞作ということで読みました。 現役大学生、衝撃のデビュー作、光陰矢の如し、戦後80年近く経っても沖縄は、戦争の亡霊が跋扈し、性と暴力に満ち溢れているのでしょうか? 著者は、近い将来の芥川賞作家候補です。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000395476 【読メエロ部】

  • ふう

    沖縄について書かれた本なので多分、とは思っていましたが、やはりそう。終戦間際からの沖縄の怖ろしく悲しい歴史が、日本兵、島民、過去、現代を行き来しながら不思議な構成で描かれていました。領土決戦とその後の米国による統治、返還後の基地の存在が沖縄にどれほどの暗い影を落としてきたことか。影は今もなお島のあちこちに残されています。目を逸らしたくなる描写もありましたが、逸らしてはいけないという作者の思いが、海やガマの中から聞こえてきました。「馬さながらに歳月は駆け抜けていく」オバア、そう言わなければ前へ進めないのよね

  • 名古屋ケムンパス

    <月ぬ走いや、馬ぬ走い>という沖縄の黄金言葉(くがにくとぅば)を沖縄の悲劇に重ね合わせて語る近現代史です。このデビュー作を綴った現役大学生である著者の才能が迸り、末恐ろしさまで感じます。沖縄の苦悩を分かち合うことが並大抵ではないことを改めて思い知るのです。過去を知らずして、未来を語る訳にはならないのですね。

  • 夜長月🌙新潮部

    作家教室であればこの作品は0点でしょう。各短編の終わりがグダグダです。人間関係がきちんと説明できていません。ストーリーが一貫していません。しかし、この作品は満点。100点です。カオスの中から総じてあぶり出される沖縄の歴史。小さくまとまっていないだけに強く伝わるものがありました。

  • 天の川

    熱量に圧倒され、沖縄のうめきが聞こえてくる。地上戦が展開される沖縄、占領下にベトナム戦争の基地として利用された沖縄、現在の沖縄が14人の独白で。前の話者の最後の一語を受けて始まる次の独白。改行もなく、沖縄言葉や現代の若者言葉が溢れ、決して読みやすいとは言えないが…地縁や血縁の結びつきの強い地、語り手の関係性が次第に見えてくる。性と暴力も多く描かれるものの、そこに過去に本土がこの地に強いた犠牲が見え隠れするのだ。表題は先人が生きるために遺した沖縄の黄金言葉。最初と最後の話者である幼い2人に明るい海が見えた。

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