現代社会の理論 情報化・消費化社会の現在と未来 岩波新書

見田宗介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784004304654
ISBN 10 : 4004304652
フォーマット
出版社
発行年月
1996年10月
日本
追加情報
:
18cm,188p

内容詳細

「ゆたかな社会」のダイナミズムと魅力の根拠とは何か。同時に、この社会の現在ある形が生み出す、環境と資源の限界、「世界の半分」の貧困といった課題をどう克服するか。現代社会の「光」と「闇」を、一貫した理論の展開で把握しながら、情報と消費の概念の透徹を通して、“自由な社会”の可能性を開く。社会学最新の基本書。

目次 : 1 情報化/消費化社会の展開―自立システムの形成(新しい蜜蜂の寓話―管理システム/消費のシステム/ デザインと広告とモード―情報化としての消費化 ほか)/ 2 環境の臨界/資源の臨界―現代社会の「限界問題」1(『沈黙の春』/ 水俣 ほか)/ 3 南の貧困/北の貧困―現代社会の「限界問題」2(限界の転移。遠隔化/不可視化の機制/ 「豊かな社会」がつくりだす飢え ほか)/ 4 情報化/消費化社会の転回―自立システムの透徹(「それでも最も魅力的な社会」?/ 消費のコンセプトの二つの位相 ほか)

【著者紹介】
見田宗介 : 1937年東京都に生まれる。現在、東京大学名誉教授、共立女子大学教授。専攻は現代社会論、比較社会学、文化の社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    情報化/消費化社会の展開に始まり、その転回ということで締めくくられています。その間に環境あるいは資源問題、南北問題についての分析もされています。今から20年前の書かれていますが、現在でも通用する部分もあるように感じます。

  • たばかるB さん

    消費化、情報化について概に。現代の消費社会の経緯や概説→環境問題・南北問題を通して見える綻び→社会変化の可能性の展望、と話は進む。本文自体は200Pに満たないものの、ボードリヤールとハイエクの「消費」概念の差異などをはじめとする検討が随所にあるなどして理論と実例が散りばめられるため、情報量が丁度良い。

  • 万葉語り さん

    情報により肥大化された購買欲が生活レベルを向上させ、労働により報酬を得られない貧困層はマーケットから締め出されるという北の貧困と、その北の思惑によりモノカルチャー経済を余儀なくされた発展途上国の南の貧困。第3章が読みたくて借りたが、公害問題について書かれた2章も興味深かった。2017-89

  • 1.3manen さん

    現代社会の全体理論:情報化/消費化社会のシステムの基本的な構造とダイナミズムと、矛盾とその克服の基本的な方向を、一貫した統合的な理論の展開として、太い線で把握するものでなければならない(B頁)。1958年は歴史の巨大な転回の年(4頁)。情報化/消費化社会こそが初めて の純粋な資本主義である(傍点31頁)。構造のテレオノミー的な転倒:システムが自分で定義する指標で測られる利益のための効率を自己目的化する(62頁)。

  • nbhd さん

    1996年の本。超おもしろいんですけど〜。学生時代に読んだときは、上手に読めなかったのだけど、それは読み方がわからなかったからだ。この本は、要するに「人類株式会社の20世紀マーケティング戦略本」で、人類による市場開拓と顧客創造を追った本だ。国が繁栄を望むと畢竟、恐慌か領土拡大戦争に陥ることになる。しかして、人類はモードと広告を発明し、領土内の顧客の精神領域に無限の市場を拡大させた。とはいえ、システムの存続には外部から収奪が不可欠で、環境問題、南北格差が不可視に進行する。ウルトラCな論理の連続でシビれた。

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見田宗介

1937年、東京生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。2022年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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