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「城取り」の軍事学 角川ソフィア文庫

西股総生

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044003937
ISBN 10 : 4044003939
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2018
Japan

Content Description

城といえば、領国支配の中心として城主が住む場所というイメージが強い。しかし、近世城郭の既成概念を排し、城の本質は軍事施設という観点から見直してみると、意外な事実が浮かび上がってくる。縄張り研究の手法を用い、戦国の城にまつわる5つの疑問を徹底論証。なぜ、多数の「山城」が築かれたのか。鉄炮の普及は城の構造にどのような影響を与えたのか…。千差万別の個性あふれる戦国のリアルに迫る、画期的城郭論。

目次 : 第1章 城を取る―攻めるか守るか/ 第2章 なぜ山城か―それぞれの事情/ 第3章 城主たちの亡霊―城の歴史がすり替わる/ 第4章 幻の館―リアリティーのない平板な図式/ 第5章 縄張りの迷宮―オンリーワンの個性たち/ 第6章 城と戦争―城の形を決定づける人の営み/ 第7章 鉄炮と城の「進化」―大きい・小さい・強い・弱い/ 第8章 城は何を守るか―築城者たちの本音/ 第9章 山から降りなかった城―近世城郭の成立を再考する

【著者紹介】
西股総生 : 1961年、北海道生まれ。城郭・戦国史研究家。学習院大学大学院史学専攻・博士前期課程修了。三鷹市遺跡調査会、(株)武蔵文化財研究所などをへて著述業。2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』で「戦国軍事考証」を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • qwer0987

    城の縄張りの奥深さについて教えられ刺激的な内容だった。戦国期の城は城主が常にいると限らず、必要なら造られ、用がなくなれば使い捨てられる。すべては政治的、軍事的産物の賜物だ。城の場所も政治状況に依存し、軍事的要衝なら城が集中し、敵をけん制するための位置に城が築かれる。縄張りも城を攻撃される前提で造られ、敵が来る方向には堀切や枡形虎口が設けられ、それを生かすため横矢掛などが造られる。また備中高松城の話もおもしろく、主力を引きずり出すため高松城は生殺しの状態で置かれたという話は目を見開かされる思いがした。

  • zaku0087

    戦国時代のリアルを学ぶには良い本だと思う。テレビや映画の戦国時代は、やはりファンタジーなのだということを理解するには、こうした「硬い」ファクトと推理の解読本が必要だ。城跡の探索からの戦国時代の軍事思想を推理するのが秀逸。 最近行った城跡も話に出てきたので、自分の中でのちょっとしたリアル感が増しているせいかもしれない。城とは使い捨ての陣地であり、殿様の居城であったことはほとんどないというのも目から鱗な考えだった。 この人の本は本当に(知的に)おもしろいと思う。

  • 史縁

    戦国時代の城について、現在残る城跡や資料を通じて、城とは何か、城を使ってどのように戦おうとしていたのか、城は何を守るためのものか、といった点を、日本の城と中国や朝鮮・ヨーロッパの城壁都市との違いを踏まえながら考察する。城に常に城主がいるわけではない、ほとんどの城は使い捨てなど、築城者=防御側の視点に立った見方が楽しめる。城に興味を持ち始めた人が手を出す本にしてはややハードルが高いが、ある程度城への関心がある読者には非常に面白く読める。

  • しゅー

    ★★★「『マツコの知らない世界』、本日は城郭研究者の世界です」と始めたくなるくらい、ディープで面白い世界が目の前に開ける。なにより日本の「城」に関する研究が民間学として発達を遂げてきたことを初めて知り、その驚きから冒頭のフレーズを連想した。日本では戦前の軍国主義的歴史観や皇国史観を否定するあまり「〜歴史学も考古学も、軍事とか戦争といった事象を正面から研究する方法論的枠組みを充分に作り上げてこなかった」ようだ。「城」を徹底的にその使用目的から読み取ることは、当然、当時の戦争のリアルに思いを馳せることになる。

  • aoko

    城と言えば石垣と天守閣、と思っていたけれど、そうではなく、軍事施設であり、縄張りを見るとどのように戦うことを想定しているのか、が見えてくる、など、著者が持論を交えて説明してくれる。「城に興味がある」程度で読み始めたけれど、もう少し知識があったほうが楽しんで読めた気がする。

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