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戦国秘史秘伝 厭離穢土欣求浄土から島原の乱 小学館新書

藤田達生

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784098254583
ISBN 10 : 4098254581
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

NHK大河ドラマ『どうする家康』で脚光を浴びる戦国時代。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が取り組んだ天下統一の舞台裏に照射。「桶狭間の合戦は知多半島の争奪戦」「織田信長の四国政策転換が本能寺の変の動機」「徳川家康の伊賀越えが実は甲賀越えだった」などスリリングな論稿多数。さらに「伊達政宗と家康六男忠輝の関係」「植民地化を未然に防いだ秀吉の功績」「弘前藩重臣になった石田三成遺児」「島原の乱とキリシタン」など読み応え抜群の原稿も多数収録。

目次 : 第1部 戦国時代の画期(桶狭間の戦い―知多半島の争奪戦/ 忍者衆と神君「甲賀」越え 家弘は敵地を突破したのか?/ 本能寺の変の人脈―林原美術館訪問記)/ 第2部 動乱から泰平へ(首都外港の繁栄(取材地/越前・若狭)/ 天下人の古代復興(取材地/紀伊半島)/ 村上海賊の終焉(取材地/しまなみ海道)/ 政宗の視圏(取材地/牡鹿半島)/ キリシタンの波動(取材地/西彼杵・島原半島)/ 豊臣と徳川の間(取材地/津軽半島))

【著者紹介】
藤田達生 : 1958年(昭和33)、愛媛県生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。学術博士。現在、三重大学副学長、同教育学部・大学院地域イノベーション学研究科教授。専攻は日本近世国家成立史の研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    桶狭間の戦いは知多半島支配権を巡る織田と今川の戦いと評し、家康の伊賀越えは実質的には甲賀越えであったと見る。また本能寺の変は足利幕府復権を図った光秀と義昭の通謀の結果であり、戦国期でも足利の権威は依然として大きかったことは同時代を考える上で重要なカギとなる。また越前や若狭を京都の外港と位置付けた信長の視点や、環日本海流通圏の発展や仙台藩の海防システム構築など知られざる事実をも取り上げるのは新しい補助線だ。歴史とは権力者だけでなく、多くの人間の思惑が絡み合って形成されていくものとする著者の歴史観には頷ける。

  • skunk_c

    全般を通じ海域を意識した戦国史となっている。桶狭間の戦いについては最近の正面攻撃説をとっていつつ、知多半島の付け根から伊勢湾を望む海域を意識する。本能寺の変については石谷文書を解読しつつ将軍義昭を立て長宗我部を救済するねらいとするが、この辺は諸説あるのできちんと読み比べたい。残りの部分は著者が取材で訪れた地域(写真もかなりある)の現在と歴史をさらっと紹介するが、旅心をくすぐる。近くを通った場所で見逃していたり、自分も行ったがこういう見方もできるのか(島原の原城など)と、コラムも含め楽しく読むことができた。

  • 軍縮地球市民shinshin

    戦国史研究をリードする著者の紀行文集。正式の論文ではないので、いろいろ書いているが史料的根拠はそれほど厳密に挙げられていない。ただ本書の主眼は、新発見の石谷家文書の話だろう。明智光秀はかねてから将軍足利義昭と通じており、義昭復権を目指して本能寺の変を起こしたというもの。義昭は信長によって京都から追放され毛利輝元の庇護の下、備後鞆の浦に居たが、相変わらず征夷大将軍であることに変わりはなかった。歴代足利将軍をみても、京都から逃れた将軍は何人も居り、義昭としては当然復権できると思っていたのだろう。ただ本書では

  • roatsu

    前近代の移動や交易圏形成には陸路の街道だけでなく、河川湖沼や海の舟運も大きなシェアを占めた事実からそうした役割を担う民が生活基盤を置き、これを支配・利用する勢力が交錯した各地半島の同時代史を訪問記を交えて眺める紀行文。とはいえ、著者が半島をゆく、と称するほどの内容ではなく文字通り秘史(?)として戦国時代の画期となった桶狭間、本能寺、伊賀越えなど有名事件を中心に通説と異なる検証を披露する内容にとどまる様な。個人的には豊臣・徳川の二大権力の間をうまく遊泳した津軽氏の話や、伊賀・甲賀に見る足軽働きをするため国外

  • Yoshihiro Yamamoto

    A+ 「桶狭間の戦い」を伊勢湾の制海権を巡る争いと捉え、朝倉・浅井攻めは環日本海の制海権確保のためとした点や海賊のいる瀬戸内海よりも、日本海をダイレクトに朝鮮半島へ行った方が良いという指摘。面白い。柴田勝家が北ノ庄を任されたのは、ある意味左遷的に思っていたが、「大陸→朝鮮半島→敦賀→琵琶湖→都」という信長の目指す明への大流通路の要をナンバーツーに抑えさせたと考えると、歴史の別の側面が見えてくる。里見氏や津軽北畠氏・安東氏などへの興味を掻き立たせてくれたのもこの本のお陰。新しい知見やアイディアに富む良書。

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