丸刈りにされた女たち 「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅 岩波現代全書

藤森晶子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000291934
ISBN 10 : 4000291939
フォーマット
出版社
発行年月
2016年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
192p;19

内容詳細

第二次大戦中に「支配者」であるドイツ兵と愛し合い、解放後に見せしめとして丸刈りにされたフランス人女性たち。キャパが撮影した写真やアラン・レネの映画『ヒロシマ・モナムール(二十四時間の情事)』でも知られる彼女たちは、「対ナチ協力者」の烙印を押され、フランスにおけるタブーとされてきた。「丸刈りにされた女たち」をたずねて二〇〇四年にフランスに渡った日本人留学生が、その困難に満ちた戦後の人生を綴った記録。

目次 : 第1章 レジスタンスの国―ジャクリーヌの場合/ 第2章 写真の呪縛―シモーヌの場合/ 第3章 「ナチの被害者」―リナの場合/ 第4章 母と子の戦後―テレーズとマリ=ジョゼの場合/ 第5章 制裁の起源―マルグリットの場合/ 第6章 「不幸な人生を歩むよう定められているの」―セシルの場合/ 第7章 「これは恋の話なのです」―マドレーヌの場合/ 第8章 できなかった再出発―エステルの場合

【著者紹介】
藤森晶子 : 1979年、広島市生まれ。東京外国語大学外国語学部欧米第二課程(フランス語専攻)卒業。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻修士課程修了。ストラスブール第三大学大学院に留学し、フランス及びドイツの各地において「丸刈りにされた女たち」に関する現地調査を実施。帰国後、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。現在、駐日外国公館勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • つちのこ さん

    本書はナチの協力者として烙印を押され丸刈りにされた女性たちの真実を探っている。先に、フランス人女性とドイツ人兵士との間に生まれた子供の戦後史を綴った『ボッシュの子』を読み、その全体像が掴めた。しかし、著者の意気込みに対して接触できた当事者はわずかに2人。高齢化と深い心の傷がそれを阻んだようだ。ヨーロッパでの丸刈りの仕打ちは女性を辱める刑罰として歴史的にもポピュラーなものであったが、戦争終結後の解放時にそれが民衆によって爆発したのは不幸といってもいい。登場した女性たちに純粋な恋物語があったことが救いである。

  • 崩紫サロメ さん

    ナチ占領下のフランスで、ドイツ人兵士と恋愛関係になった女性達が戦後、丸刈りにされ、晒し者にされたことは有名であるが、彼女たちのその後、また「丸刈り」ということがヨーロッパとアジアで制裁としてどのような違いを持っていたか、などを論じる。「はじめに」にもあるとおり、女性の権利は拡大しても、性に関する自己決定権は依然として男性にあることを示す意味でのシャリヴァリ制裁なのだろうと言える。

  • Nobuko Hashimoto さん

    第2次大戦時のドイツ占領下のフランスで「対独協力者」であったとみなされた女性たちが、ドイツ撤退後、裏切り者として公衆の前で丸刈りにされるという事態が各地で頻発した。その「被害者」たちの証言を求めて訪ねた記録。今後、ますます当事者の声を拾うことは難しくなるだろう。貴重な証言であると思う。フランスの占領時代〜戦後について知識も関心も低かった私には、わかりやすくその時代を解説してくれていて理解の助けになった。詳しくはブログに記録。http://chekosan.exblog.jp/28150792/

  • 更紗蝦 さん

    第二次大戦中にドイツ兵と通じたフランス人女性に対して行われた「丸刈り」というみせしめに対して著者が留学中に色々と調べたことが述べられています。テーマを「フランスで女性に行われた戦時性暴力」にするか、「比較文化としての丸刈り」にするべきだったのに、「ドイツの占領から脱した直後のフランスで、みせしめとして行われた丸刈り」にテーマを絞ってしまったため、レポートとしてはとても中途半場な構成になっており、著者自身もその自覚があるため、タイトルも『「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅』という微妙な表現になっています。

  • みねたか さん

    ドイツ占領下フランス。ドイツ人と愛し合った多くのフランス人女性が公衆の面前で髪を刈られたという。著者は,学術的な研究という観点で調査を行っていたが,次第にその人生に寄り添い,彼女たちがさまざまな形でその愛の代償を長く払い続けた痛みを実感していく。実行者や傍観者がその後その正当性を信じられたのか。特異な状況下で人としてどのように行動するかという問いかけとして心に響く。

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