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田紳有楽 / 空気頭

藤枝静男

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784061960831
ISBN 10 : 4061960830
Format
Books
Publisher
Release Date
June/1990
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Customer Reviews

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藤枝静男。 只々、自他をへたてず、冷徹な...

投稿日:2021/02/23 (火)

藤枝静男。 只々、自他をへたてず、冷徹な観察眼による、 簡潔かつ硬質で力強い文体でおりなす作品集。 一時期、講談社文芸文庫でリリースが相次ぎましたが、 最近は、ご無沙汰です。 昨年、評伝も出たので、これを期に他作品の出版をお願いします。

Joe さん | 大阪府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 中玉ケビン砂糖

    、(ご覧のコメントは藤枝静男評で間違いありませんが、多くをある映画評に割いているのでご注意ください、なぜなら、藤枝静男をダシにして、ただ映画の話をしたいだけだからです、ブログでやれよとも言いたくなりますが、読メの伝播率のほうが結局高いのでここに書きます)、先日、ゴダールの新作(!)3D(!)映画をみるためにシネスイッチ銀座まで行った、ゴダールの3D映画とは、まるでSFじゃないか、素晴らしいじゃないか、という感覚でみ始めたら、「ゴダールの映画」が3Dだった! 何を言っているかわからないとは思うが

  • HANA

    「田紳有楽」「空気頭」の二編を収録。「田紳有楽」の方は骨董収集家の日常を描いたものかと思いきや、視点が突如湯飲みに移り金魚との恋や子を生す話が始まり、皿は空を飛びチベットの思い出を語る。再び骨董収集家の方に話が移るととんでもない方向に話は広がり…。人や焼き物神仏が混ざり合う様やその会話の様子は何となく森見登美彦を連想させ、何とも楽しい一編。「空気頭」の方も妻との闘病記で鬱々とした話が続く…と思いきや後半こちらも何とも言えぬ理屈が展開し始めて、何ともはや。読んでいると頭の中をかき回されるような心地もする。

  • syaori

    グイ吞みと金魚が子づくりし、抹茶茶碗が人間に化けるシュールさが素敵な『田紳有楽』に出てくるのは偽物ばかり。抹茶茶碗は偽物として作られているし、空飛ぶ丼鉢も丹波と言いながら中国産。弥勒の化身という彼らの主人だって、彼が衆生を救う56億年後なんて地球は膨張した太陽の中だと言われてしまう始末。そして『空気頭』の「私」が得た禅の悟りにも似た感覚も人工的につくりだしたもの。そんな彼らの営みは少し滑稽で悲しい。でも「鏡へ写せば」右も左、偽も真だからなのか、彼らが辿りつく境地は自由で恍惚感に満ち、まぶしく映りました。

  • なる

    「空気頭」なんという奇妙な幻想小説か。病床の妻と向き合う冒頭から主人公の男が持つ感情の欠落がクローズアップされ、決して幸せでない生い立ちから戦争を介したことでさらに重く暗く落ち込んで行くストーリー展開に、絶望の予感がひしひしと漂うのかと感じていた矢先、途中で文体がガラリと変容し、突然にして題名の意味が提示されて唖然とする。やがて主人公の変態的な精神性が暴走しはじめ、世界がぐるりと裏がえる。著者の碩学で埋め尽くされ何を読まされているのかがわからなくなるという不可思議な読書体験に、頭が空気で満たされてしまう。

  • かんやん

    『空気頭』S42年。前半は25年に渡り一進一退を繰り返す妻の結核との闘病生活を描く私小説。尋常でないのは後半で、前半の裏バージョンというのか、愛人との爛れた性生活を描く。中国の怪しげな伝統療法によるウンコを基にした様々な強壮剤の作成と使用が白眉で、格調高い心境小説である前半の全否定になっている。しかし、いくら奇怪な妄想とはいえ、性への嫌悪が強すぎて、激しいミソジニーを抱く「私」の女性描写に辟易する。自己嫌悪の自分語りには付き合えないよ。『田紳有楽』S51年。内容的、時間的にこちらを後に持ってくるべき。

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