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自由主義の再検討

藤原保信

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004302933
ISBN 10 : 4004302935
Format
Books
Publisher
Release Date
August/1993
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

資本主義の経済、議会制民主主義の政治を軸とする「自由主義」―それは社会主義体制の崩壊によって勝利したといえるのだろうか。むしろ今こそ、その自己克服・修正が求められているのではないか。近代の思想史を見直しながら、自由主義の本質と限界を明らかにし、二十一世紀にむけた新しい思想「コミュニタリアニズム」への展望を語る。

目次 : 序章 自由主義は勝利したか/ 第1章 自由主義はどのようにして正当化されたか(資本主義の正当化/ 議会制民主主義の正当化/ 功利主義の正当化)/ 第2章 社会主義の挑戦は何であったか(政治的解放の限界/ 私有財産と疎外/ 市場経済と搾取)/ 第3章 自由主義のどこに問題があるか(社会主義の失敗/ 自由主義の陥穽)/ 終章 コミュニタリアニズムに向けて

【著者紹介】
藤原保信 : 1935‐94年。専攻は政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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NHKの「ハーバード白熱教室」(2010年4...

投稿日:2010/07/28 (水)

NHKの「ハーバード白熱教室」(2010年4月〜6月放送)で、サンデル教授が取り上げた、リバタリアン・コミュニタリアン論争のポイントが、分かりやすく書いてあります。著者は、1994年に惜しくも59才で亡くなったけど、存命なら、小泉新自由主義以降の日本をどうとらえるのでしょう? だれもが無前提に信じている民主主義・自由主義だけど、その中にある落とし穴を知ることは、私のような普通の人間にも大事なことだと、考えさせてくれました。

Gグリーン さん | 福岡県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • chanvesa

    22年前、高校生になったときにこの本に出会った。サンデル教授は有名になったが、この本のおしまいで述べられているコミュニタリアニズムは今どうなっているのだろう。統一地方選挙で無投票の地域があり、著しい投票率の低下が言われているが、この現象はアーレントの指摘するprivativeが「人間として何ものかが欠如した状態」という強烈な言葉や、「近代自由主義のもとにおいては、公的・政治的生活と私的生活、公的・政治的領域と私的領域との関係が転倒(152頁)」の証明になっているような気がする。重くのしかかるアポリア。

  • メガネ

    里山資本主義のような、それ自体無理がある様な考え、が出てくることは、この本で書かれているような自由主義とそれに対する社会主義、その結果の現代の資本主義があってのことだということなのだろうか。そのような変遷を知らなければ、端的に発想に無理があるということだけに注目してしまうのかもしれない。(妄想)

  • うえ

    「個人は他者関係や相互の承認とは無関係に-社会になんら負うことなく-権利をもつべきものとした。それはあまりにも個人主義的であり、時には利己主義的ですらあった。かくしてサンデル、テイラー、マッキンタイアらは、近代自由主義のとらえたそのような自我を「負荷なき自我」「遊離せる自我」とよび、自我をふたたび社会的関係のうちに埋め込み、状況化して理解しようとする。すべての自我は、一定の社会関係のうちに生まれ、そこで育まれ、人格形成をおこない、目的を付与されつつ生きている」

  • スズツキ

    これは大変良い。黄版から大衆寄りになり雑駁なものに埋もれる傾向が出てきた新赤版の隠れた代表作。自由主義と社会主義の考察、そして現れるリバタリアニズムと終盤で著者が同意をみせるコミュニタリアンの対立。社会学の教科書での解説は大部になりますが、このコンパクトさ。薄いと分かりにくくなるのが常ながら、その流れに逆行する稀有な書。

  • D.Okada

    第1章で古代以来の思想史を概観し、ロックやスミスの著書を参照しながらその自由主義の理論を批判したり、第2章で「社会主義の挑戦は何であったか」としてうまく社会主義と比較しつつも、第3章で自由主義の問題点について簡約してある。最後に共同体主義について提起するという、専門書並みの新書であると思う。

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