大塩平八郎の乱 幕府を震撼させた武装蜂起の真相 中公新書

薮田貫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121027306
ISBN 10 : 4121027302
フォーマット
出版社
発行年月
2022年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
薮田貫 ,  
追加情報
:
265p;18

内容詳細

江戸後期、天保の大飢饉が起こり、深刻な米不足から大坂でも餓死者が続出した。大坂町奉行所の元与力で陽明学者の大塩平八郎は、窮状を見かねて奉行所に救済を嘆願したが容れられず、私塾の門弟らと「救民」を掲げて決起。乱は一日で鎮圧された。自決まで一カ月余り大坂市中で潜伏を続けた大塩の真意は何か。密かに江戸へ送った「建議書」で何を訴えようとしたのか。近年発見の史料もふまえ、幕府を震撼させた事件の全容に迫る。

目次 : 序章 「大坂大変」/ 第1章 与力大塩平八郎/ 第2章 未完の「三大功績」/ 第3章 洗心洞主人/ 第4章 洗心洞の内外/ 第5章 「四海困窮」/ 第6章 大坂の乱/ 第7章 それぞれの最期/ 終章 大塩の乱とは何だったのか

【著者紹介】
薮田貫 : 1948年(昭和23年)、大阪府に生まれる。大阪大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科に進み、博士(文学)を取得。京都橘女子大学助教授、関西大学文学部教授などを歴任。現在、兵庫県立歴史博物館館長。関西大学名誉教授。専門は日本近世史(社会史・女性史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    大塩平八郎の乱は教科書でも特筆されるが、大塩個人の伝記や武装蜂起の動機は表面的な話しか出てこない。本書では大坂奉行所与力として汚職官吏摘発に功があり、学塾洗心洞の門人が農村部にまで広がっていたなど、有能な実務官僚ながら正義感の強い学者だった知られざる側面を簡明にまとめている。だからこそ「四海困窮」を放置できず決起した事情や、大きな損害を受けながら大坂の住人に慕われた理由が見えてくる。また老中宛てに失政糾弾の建議書を送るなど視野も広く、元役人でありながら初めて幕府を討つと公然と提起した衝撃は大きかったのだ。

  • 六点 さん

    旧著『武士の町 大坂』で江戸期大坂在住武士は意外と多く文化的にも全く軽視するには当たらないと、啓蒙と云う意味では大変なものであった。その大坂武士の代表としての大塩平八郎の乱を論じて見る。天保の大飢饉の一つの余波であり、戦闘としては取るに足らないものであったが、敗走後大塩達が潜伏するなどしたため、意外と後を引いたらしい。六点は特に思いあれで無いので、大事をなす割にあまい見込みでの暴発であり、なんだかなあとしか思えない。大阪の三大火災と呼ばれた大火の一つにまでなったのですからねえ。

  • skunk_c さん

    乱が一日で鎮圧されたことは既知だったが、大坂で大火を招き、平八郎が事後一ヶ月以上も潜伏していたことは知らなかった。本書は平八郎の生涯をかなり詳細に見ながら、その人物像と飢饉に対する意識を丹念に取り上げ、特に乱の前日に江戸の徳川斉昭らにあてて密書を送っていた(斉昭には未達)ことを重視する。つまり大坂の乱で江戸を動かそうとしたとのこと。平八郎のスケールの大きさを感じた。巻頭に地図、巻末に乱の再配布された檄文の現代語訳があるのも良かった。ただし文章は主語の省略が多い独特のリズムで、話題も飛ぶので読みにくかった。

  • HANA さん

    どんな歴史の教科書にも記述がある「大塩平八郎の乱」。これまでは単に貧民救済のためのものと理解していたが…。本書はそんな乱に対して、平八郎の文人としての側面や与力としての活躍。乱に至るまでの道筋と起こすまでの様々な理由。そして乱に参加した面々の最後まで、多面的に考証されている。ただ乱に置いて聞いた事のある名は平八郎だけで、彼を巡る数多の人々、同僚与力や門下生の面々は初めて聞く名ばかりなので、地味な側面があるのは否定できないけど。今まで教科書に一行だけだった乱が、読み終えた今違った光芒を放つように思えました。

  • yamatoshiuruhashi さん

    大塩平八郎の個人的な評伝にも迫る一書。大塩平八郎の乱について大塩個人の履歴から詳細に論ずるがやや冗長でもある。ただ檄文について詳しく解説されるのは新鮮である。個人的には私のライフワークである東芝の創業者・田中久重(からくり儀右衛門)が大阪から京都に移住する契機がこの大塩平八郎の乱であり、興行師、機巧職人から近代技術者の祖としてその基盤を確たるものにするのは大塩の乱で大被害を受けたことであると認識していることから、大塩の天下民衆への思いとは別に思うこと多し。

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