二魂一体の友 中公文庫

萩原朔太郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784122070998
ISBN 10 : 4122070996
フォーマット
出版社
発行年月
2021年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
362p;16

内容詳細

僕等はツバぜり合いの刀の下で、永久に黙笑し合っている仇敵である―北原白秋主宰の詩誌への寄稿で知り合い、近代詩を牽引する良きライバルとなった朔太郎と犀星。交流を描いたエッセイから互いの詩集に寄せた序文までを集成する。それぞれが語る四半世紀に及ぶ友情。文庫オリジナル。

目次 : 1 さびしき友・室生犀星―萩原朔太郎(室生犀星の印象/ さびしき友 ほか)/ 2 砂丘を登る人・萩原朔太郎―室生犀星(赤倉温泉/ 萩原と私 ほか)/ 3 詩集に寄せて(室生犀星『抒情小曲集』序―萩原朔太郎/ 健康の都市―室生犀星 ほか)/ 4 詩への告別(詩よきみとお別れする―室生犀星/ 詩に告別した室生犀星君へ―萩原朔太郎 ほか)/ 巻末対談 わたしの朔太郎 わたしの犀星(萩原葉子×室生朝子)

【著者紹介】
萩原朔太郎 : 1886年群馬県生まれ。詩人。1913年、北原白秋の雑誌『朱樂』に「みちゆき」ほか五編の詩を発表、作詩活動を始める。この頃、室生犀星の詩に感動して親交を結ぶ。犀星と15年『卓上噴水』、16年『感情』の詩誌を創刊。17年第一詩集『月に吠える』を自費出版。他の著作にアフォリズム集『新しき欲情』、詩集『青猫』『純情小曲集』などがある。1942年没

室生犀星 : 1889年石川県生まれ。詩人、作家。1915年、萩原朔太郎、山村暮鳥らと交わり、『卓上噴水』を創刊。18年『愛の詩集』を自費出版、以後『抒情小曲集』『寂しき都会』など数々の詩集を刊行。58年『杏っ子』により読売文学賞、59年『我が愛する詩人の伝記』により毎日出版文化賞、『かげろふの日記遺文』により野間文芸賞を受賞。1962年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 冬見 さん

    朔太郎と犀星の交流を描いた随筆や互いの詩集に寄せた序文などを集成。巻末には萩原葉子と室生朝子の対談を収録。読んだことがあるものもあったが、彼らの交流を一気にまとめて読むことができて良い。欲を言えば『我友』の詩が全収録(どさくさに紛れて惣之助のぶんも含めて)されいればなあ、なんて。でも紙の本で「供物」が読めたのは嬉しい。性質の違う二人が生涯にわたってここまで強い結びついていた理由がわかったような、わからないような。読めば読むほど不思議で、納得のゆく二人。

  • 駄目男 さん

    朔太郎は言う。犀星の書斎は明窓浄机で塵ひとつないと。 然るに自分の居間ときたら、原稿用紙と鼻紙が一杯に散らばり、その上、煙草の吸殻が座敷中に捨ててある。犀星のところに来ると、いつもゴミダメから座敷に招待されたような気がすると。更に。「いいね、蛙が鳴いてるじゃないか」と言った。すると急に犀星が欣然として、さも意を得たように言った。「君にも風流の情緒がわかるか、なかなか話せるぞ」 この二人は大の親友なくせに趣味、趣向が合わず拠ると触ると喧嘩ばかりして、時に犀星はぷいっと反転し帰ってしまうこともある。

  • ハルト さん

    読了:◎ 詩人・萩原朔太郎と室生犀星の、互いの人柄、作品について語るエッセイ、詩集の序文等が収録してある。「二魂一体の友」とあるように、互いに真反対だからこそ通じあえた友情が、この本からは立ち上ってくる。詩を通して培われ、赤裸々に心を明かしても壊れなかった友情は、二人がよきライバルであり、またブロマンス的なものをすら匂わせる。こうまで厚い友情が二人の間にはあったのかと、初めて知った。芥川龍之介の名前もちらほらと出てきたりして、おもしろく読めた。

  • 月 さん

    二魂一体の友。さびしき友、砂丘を登る人、それぞれの詩集に寄せて、詩への告別・・。殆ど既読の作品たちだったが、纏めて読む構成が一つの作品へと、また新たに連なり(生まれ変わり)、一連のストーリー(流れ)となり、泣けてくる。文豪同志の繋がりと言えば、春夫と大學、直哉と実篤、康成と利一など・・想い浮かぶも、私にとってやはり犀星と朔太郎は、いろんな意味で最強の繋がり(二人)である。私も既読本の「我友」をもう一度読みたくなってきた。久しぶりの犀星。

  • Rick‘s cafe さん

    室生犀星の詩が好きである。一方で萩原朔太郎の詩はどうもピンと来ない。2人が固い友情で結ばれていたことは知っていたが、これほど異なる詩情を有する両者を繋ぎ止めるものが何かはサッパリ分からなかった。けれども本書に収められている互いへの想いを綴った随筆を読めば、赤裸々な言葉たちがその一端を示してくれる。朔太郎の詩は好かないが、困ったことに犀星評に関しては頷くところが満載である。「僕等はツバぜり合いの刀の下で、永久に黙笑し合っている仇敵である」互いを理解し反目しながら愛情を育んでいる関係を羨まずにはいられない。

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