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大才子 小津久足 伊勢商人の蔵書・国学・紀行文 中公選書

菱岡憲司

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121101341
ISBN 10 : 4121101340
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2023
Japan

Content Description

映画監督・小津安二郎は異母弟の孫、伊勢松坂の富商、当世随一の人気作家・曲亭馬琴の友人、本居宣長の孫弟子にして、大蔵書家、そして江戸時代最大の紀行文作家・小津久足。湯浅屋与右衛門、小津桂窓、久足、雑学庵という四つの名前を使い分けて生きた男の営みを通して、近代とは似て非なる、ありのままの江戸社会を探る。文学、歴史、文化、経済を横断すると、あり得たかもしれない、もう一つの日本というパラレルワールドが見えてくる。

目次 : 第1章 湯浅屋与右衛門―伊勢商人の経済活動と思想/ 第2章 小津久足―国学・和歌・紀行文/ 第3章 小津桂窓―西荘文庫の蒐集と文人ネットワーク/ 第4章 雑学庵―今古和漢雅俗一致/ 第5章 紀行文から時代を読む/ 終章 江戸というパラレルワールド―小津久足の四つの顔

【著者紹介】
菱岡憲司 : 1976年福岡県生まれ。九州大学大学院博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。有明工業高等専門学校准教授を経て、2017年より山口県立大学国際文化学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • akuragitatata

    最初の近世の経済からみる「近世」観がバツグンに面白く、その中で商家の文人がどうあったか、どう考えて生きたかという見取り図の描き方が才知を感じさせる。歴史記述の厳密さの一方で、豪遊と人治を両立させた久足の思想にも迫る手練手管の多いユニークな本で、マニアックな題材ながら名著のほまれを受けるべきと思う。途中の文庫界隈のことがらもはあはあと面白く読んだ。とはいえ、判官贔屓も少しあるかもしれない。

  • iwasabi47

    以前大室幹雄『月瀬幻影−近代日本風景批評史』をよく理解できないながらも読むと、「風景」を語る主体(たち)にスポットを当てる話だった。まさしく紀行文を書く「小津久足」の話。商家、国学(後に批判)、蔵書蒐集家、歌紀行文の実作から、与右衛門・久足・桂窓(名前の複数性)を“近世的自我”とする。その妥当性は私には判断つきかねるが面白い。久足の蔵書エピソードは本好きアルアルネタが微笑ましい。また私のような初学者にも判るように江戸の基礎知識が織り込まれてそこがいい。久足の翻刻紀行文が読みたくなる。

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