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わたしは「ひとり新聞社」 岩手県大槌町で生き、考え、伝える

菊池由貴子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784750517674
ISBN 10 : 4750517674
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2022
Japan

Content Description

自分が生まれ育った町に何の関心も持たず、文章もろくに書いたことがない引っ込み思案な「わたし」。震災を機に踏み出した、町と自身の再生への道のり…。被災地復興の光と影、真のメディアとジャーナリズムのあり方を忖度なくあぶり出した、自伝的ノンフィクション。

目次 : 第1章 生きる意義を見失っていた震災前/ 第2章 大槌町の新聞を作りたい/ 第3章 地域メディアミックスに挑む/ 第4章 中断された震災検証/ 第5章 解体された大槌町旧役場庁舎/ 第6章 本当の復興はこれから/ 第7章 創造的メディアをめざして

【著者紹介】
菊池由貴子 : 1974年岩手県大槌町生まれ。岩手大学農学部獣医学科(現・共同獣医学科)在学中に潰瘍性大腸炎になり劇症型心筋炎を併発。二度心停止するも奇跡的に生還するが、入退院の繰り返しで大学を中退。東日本大震災前に結婚するも数年で離婚。震災後、情報不足に陥った経験から2012年6月に大槌新聞創刊。再婚と離婚を経て2016年4月に一般社団法人大槌新聞社設立。取材や執筆、編集に加え広告営業や事務までをひとりでこなす。第3回東日本大震災復興支援坂田記念ジャーナリズム賞、第2回エルトゥールル号からの恩返し日本復興の光大賞、令和元年度「新しい東北」復興・創生顕彰など受賞。大槌新聞の定期発行は2021年3月に終了。現在はオンラインによる講演や勉強会、語り部活動、執筆などを続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • とよぽん

    東日本大震災で被災した筆者は、それ以前に自身が難病にかかって入退院を繰り返し、一時は生死の境もさまよっていた。それが、震災後は避難生活の体験から、被災者が自分たちの町の情報を知りたいと強く思っていることに気づいて「ひとり新聞社」を始めることに。大槌町の町民の生活に寄り添うことは、町政や民間団体、復興支援に関する国や県の機関と必然的に関わることになる。筆者の、何としても大槌町の町民に「伝えたい」一心が感じられた。今後の大槌町がどう変わっていくのか、私も関心をもっていきたい。菊池由貴子さん、素晴らしい!

  • けんとまん1007

    改めて、メディア・ジャーナリズムとは何か・・を考えた。何より、視点・立ち位置の在り方だと思う。そこに住む人たちにとって、何が、一番求められているのかを考え続けること。いわゆるマスメディアは、既に、商売が全面にたってしまっている。その地域のあった形というものがあるのだと思う。そして、誰に情報を届けるか。自分で、どんどん情報を集める人でなく、情報に触れる手段が少ない人へ、どれだけ届けるかだと思う。ところが、メデイアだけでなく、巷に溢れるのは、元気な人がより元気になるような、同じ人たちだけが集まる場ばかりだ。

  • 泰然

    岩手県大槌町。大病を患い、離婚の挫折を抱えた内気な女性が、あの震災を契機に全くのゼロから故郷の町民のためにひとりだけの新聞社として大槌新聞を創刊する。良い意味でケレンさや感動味はない。悲痛な現実や過去と向き合って内省や検証することなしに本当の震災復興はなく、人間個人個人の再生はないことを懇々と問う。言うなれば「一粒の麦」として故郷復興の地域メディアとしてひとり奮闘した彼女の日々は、南米アンデスのハチドリの山火事寓話を想起させる。持病と闘いつつ、答えを模索する。しかし結果を急がない懐の深さは普遍の味がある。

  • いちろく

    全国紙は東京、都道府県紙は都道府県庁所在地、そして大槌新聞は大鎚町と、新聞における「視点」を説く著者。一人で、取材、執筆、編集だけでなく、事務、経理、広報まで行い、東日本大震災後の2012年6月から2021年3月まで大槌町を対象とした定期発行を継続した実績だけでも驚愕だった。その間、著者自身も再婚からの離婚を経験しただけでなく、元々悪かった体調を更に悪化させている点も述べており、美談とせず犠牲になったことも提示している点に、ただただ頭が下がるばかりだった。まさに命をかけた10年弱の記録を読んだ感覚だった。

  • kan

    草の根ジャーナリズムとも呼べるだろうか、一町民として町の復興のため、知りたいことを取材し、町の人々が知りたいと思うだろうことや人々に知ってもらいたいことをあくまで一町民目線で伝え続けた大槌新聞。大上段に構えず伝えるべきことを伝え続ける姿勢を貫き、震災後のシビックエンゲージメントに影響を与える地域メディアの役割を果たしたのだろうと思う。小さな町ならではの限定的な循環や忖度が不祥事に繋がりやすく、地方の小自治体の舵取りと住民の行政との関わりの難しさが際立っており、メディアの役割と姿勢の重要さを実感した。

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