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「命のヴィザ」言説の虚構 リトアニアのユダヤ難民に何があったのか?

菅野賢治

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784907986810
ISBN 10 : 4907986815
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「日本のシンドラー」に関する伝説は、今後、本書によって書き換えられる。ニューヨークのユダヤ系機関に保管されている第一級資料にメスを入れ、徹底的に分析・調査。「神話」から歴史の真実を取り戻し、もう一つの脅威をあらわにする迫真の学術ドキュメント。

目次 : 第1章 リトアニアのソヴィエト化以前(一九三九年九月〜四〇年五月)(JDCとリトアニア―第二次大戦開戦の報をうけて/ ヴィルノ/ヴィルニュスのリトアニア併合をうけて ほか)/ 第2章 ソヴィエト・リトアニアの成立からソ連国籍の強制まで(一九四〇年六月〜十二月)(一九四〇年六月〜七月の大激動/ 体を殺すドイツ人、魂を殺すロシア人―「ユダヤ的ユダヤ人」に迫る危険 ほか)/ 第3章 大脱出(一九四一年一月〜二月)(ソ連人となるか、無国籍者となるか/ イェシヴァー救出計画の顛末(五)「外交上」の言語 ほか)/ 結論と今後の課題(ベッケルマンによる総括/ ナチスの脅威の存否 ほか)/ 補遺(エマヌエル・リンゲルブルムによるイツハク・ギテルマン伝(抄)/ 書き手不明のJDC文書「リトアニアにおけるユダヤ人の絶滅」(一九四三年))

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • BLACK無糖好き

    論点の大筋はシモナス・ストレルツォーバスの著作と同じ。リトアニアのユダヤ難民たちをナチスによるジェノサイドの危機から救ったとされる杉原千畝の「命のヴィザ」の言説を検証。一次資料から当時のユダヤ難民が直面していた喫緊の危機を明らかにする。◇あの名作『フランス・ユダヤの歴史』の著者だけあって、一次資料(主に「アメリカ・ユダヤ合同分配委員会」の古文書)から事実を一つ一つ丹念に積み上げ、歴史像を構築していくその職人技は本書でも随所に見られる。ユダヤ人のその後を辿る姉妹書も計画されてる。旅は終わらない。

  • 月をみるもの

    "こにに一握り、いやたった一人でもいい、「この話には、時系列と資料的根拠の面で相当の無理と矛盾がある」と発言する研究者がいたならば、そして、その指摘が、いすこかの学術の場で採り上げられ、真拳な議論の対象になっていれば、出版界も、ジャーナリズムも、放送界も、映画界も、教育界も各種NPO法人も、さらには何らかの「ゆかり」があるとされた各地の自治体も、ここまででの〈神話化〉に手放しで寄与してしまうことはなかったのではないか"

  • かりん

    5:《命のヴィザ言説にある前後即因果の誤謬。》昨年SNSで知った分厚い本。私が数年前に千畝を知った際の驚きや尊敬の念は読書メーター内に残っているが、巷間で語られるナラティブが「前後即因果の誤謬」であることを一次資料に丁寧にあたりながら紐解いてくれる。当時はまだユダヤ・ジェノサイドは始まっておらず、ソ連残留の危険からの逃避行であったこと、杉原ヴィザが唯一無二の突破口ではなかったことなど。外務省の対応の悪さも実際は違うようだ。誰も嘘をつくつもりはないのだろうが、心地よい物語に騙されない目が大切であると思った。

  • Fumitaka

    杉原千畝が救ったリトアニアのユダヤ人とはポーランドからの難民も含めた多様な人々であり、彼らが脱出ビザを求めたのは「ナチス」「ホロコースト」ではなく(pp. 22-4)、ソ連体制下の文化的危機や生活基盤の動揺(pp. 202-3、p. 225)、また難民にソ連国籍が付与されることでソ連から出られなくなること(p. 432)への危惧であることを論証する。脱出したおかげでナチから助かったことと、リトアニアがソ連に編入された1940年の時点で難民が嫌がったものはナチではないことは別個に成立するのである。

  • takao

    ☆ポーランド難民がリトアニア経由で逃れたのはナチからではなく、ソ連の全体主義からである。

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