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明日の記憶

Hiroshi Ogiwara

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334924461
ISBN 10 : 4334924468
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2004
Japan

Product Description

知っているはずの言葉がとっさに出てこない。物忘れ、頭痛、不眠、目眩――告げられた病名は若年性アルツハイマー。どんなにメモでポケットを膨らませても確実に失われていく記憶。そして悲しくもほのかな光が見える感動の結末。上質のユーモア感覚を持つ著者が、シリアスなテーマに挑んだ最高傑作。

Content Description

「まずお歳を聞かせて下さい」「ここはどこですか」「次の三つの言葉を覚えて下さい。いいですか、あさがお、飛行機、いぬ」「今日は何曜日ですか」「さっきの三つの言葉を思い出して、言ってみてください」人ごとだと思っていたことが、我が身に起きてしまった。最初は物忘れ程度に思っていたが、若年性アルツハイマーの初期症状と告げられた。身につまされる傑作長編小説。

【著者紹介】
荻原浩 : 1956年生まれ。広告制作会社を経て、1997年、『オロロ畑でつかまえて』で「小説すばる新人賞」を受賞しデビュー。軽妙洒脱、上質なユーモアに富んだ文章には定評があり、行間に人生の哀歓が漂う。次々と新しいテーマに挑む、現在最も注目されている作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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いくらメモを残しても確実に失われていく自分...

投稿日:2006/03/14 (火)

いくらメモを残しても確実に失われていく自分の記憶。自分が自分でなくなっていく恐怖。佐伯の書く日記が段々と平仮名が多くなっていく部分にリアルさを感じました。ラストは悲しくて泣いてしまったけど、隣で歩く女性に、妻に、かけた言葉に何だか一筋の光を見た様な気がしました。

朝顔 さん | 宮崎県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

    【図書館本】「あれ?えーとなんだったっけ?最近人の名前をど忘れしてなぁ。俺もボケたよなぁ。」冗談でそう言えるならばいい。「若年性アルツハイマーの初期症状だと思います。」おそらく「あなたは末期癌です。」と宣告されるよりもショックな出来事に違いない。自分が自分でなくなっていく。ゆっくり、そして少しずつ人生が消えていく恐怖。愛すべき人々との思い出も徐々に消えていく。記憶が消えても自分が過ごしてきた日々が消えるわけではないし、人々の記憶には自分は残る。しかし、ラストシーンはあまりにも切なく悲しすぎる。★★★★★

  • おかむー

    映画ではどのようにこの作品を描いたのかがすごく気になった。演出によってはものすごく意味合いが変わってくる作品ではなかろうか。『たいへんよくできました』。若年性アルツハイマー病となった五十そこそこの主人公。ちょっとした物忘れに始まり、アルツハイマーの診断を受け病の進行してゆく様子を終始本人の視点からのみで描いていることがこの作品のキモだと思う。防備録やメモの内容にじわじわとひらがなが増えてゆくこと、隠しきれない症状への本人と周囲の認識のずれ、これが病の残酷さ深刻さを際立たせている。

  • 抹茶モナカ

    母方の祖父母が痴呆になったので、他人事とは思えず。アルツハイマーになる夢を読了後の夜に見た。ラストシーンが美しい作品だけど、僕にとっては、重たい作品だった。山本周五郎賞受賞作。

  • パフちゃん@かのん変更

    いい話です。若年性アルツハイマー、怖い病気です。高齢で認知症になるのもかんべんしてもらいたいのに50歳での発病。アルツハイマーで亡くなった父親の姿を見ているだけに余計辛かったでしょう。初期症状で行動は普通なのに短期記憶だけが抜け落ちていくのも怖いです。物忘れが気になるので他人事じゃないです。救われるのは家族や職場(一部を除いて)の人が優しいことと本人も記憶障害以外は行動が大きく破綻して行っていないこと。それでも最後には迎えに来た妻の事が分からなくなっているのですね。菅原老人を覚えていたのに?

  • 再び読書

    主人公と同年代のぼくは、読むにつれ、シャレにならなくなってきました。普段の物忘れはもしかして???とかなりある意味ホラーです。またクリエイティブのイメージの広告代理店の部長が、パソコン音痴なところが、不思議な感じがしました。読むにつれ、アルツハイマーの進行が気になり、落ち着けません。また、ある意味予想はされた、窓際から退職の過程が身につまされます。最後は優しく纏めてくれるのが、荻原氏の素敵なところです。今回は読みながら、読み進めるのが怖くなる読書でした。

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