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「生きがい」と出会うために 神谷美恵子のいのちの哲学

若松英輔

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784140817995
ISBN 10 : 4140817992
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

東日本大震災や新型コロナウイルス禍といったさまざまな困難のなか、失われた「生きがい」をいかに取り戻すか―。岡山県のハンセン病療養施設・長島愛生園で精神科医として働いた神谷美恵子が、『生きがいについて』等の著作で描き出した「極限状況を生きる患者たちの姿に見出した希望」をヒントに、私たち自身にとっての生きて行く意味を考える一冊。

目次 : はじめに―「生きがい」との出会いを求めて/ 第1章 「生きがい」とは何か/ 第2章 名無き賢者たちとの協同/ 第3章 避けがたい試練と向きあう/ 第4章 生きる希望はどこにあるのか/ 第5章 生きがいをつなぐ/ おわりに―平凡な心のくみかえの体験

【著者紹介】
若松英輔 : 1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、第16回蓮如賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    若松さんは本当にいい本を解説してくれています。井筒俊彦、小林秀雄、須賀敦子などについても様々読みましたが、この神谷美恵子の「生きがいについて」は私も幾度か読みました。たださまざまな古典をもとにして、生きがいという意味を深く味わいという気がしましたが、この本ではもう少し踏み込んだ読み方をされている気がしました。再度「生きがいについて」を読み直したくなりました。

  • trazom

    神谷美恵子さんの「生きがいについて」を若松さんが解説する。私の注目は、神谷さんの宗教観を、キリスト者である若松さんがどう解釈するか。三谷隆正、藤井武など内村鑑三に連なる人たちからあれだけ多くの影響を受けながら、神谷さんがキリスト教との距離を保っていることが、私はずっと気になっていた。期待通り、若松さんは逃げずに踏み込む。神谷さんは、宗教的地平から霊性的地平へと移行したんだと言う。それは内村鑑三の無教会の霊性にほかならず、彼女のキリスト教信仰が宗派的宗教を超えたものへと転回したのだと。本当にそうだろうか…。

  • tamami

    雨模様の連休の幾日か、この本を静謐のうちに読みおえることができて良かった。本書のもとになった、神谷美恵子『生きがいについて』の中に記された人々の詩や文章や言葉を、引用された神谷さんの思いとそれを記す若松さんの文章を通して読むことで、彼らの心の繋がりの端にいる自分を感じた事でした。これらの文章のほんの一端でも、今は何も届けることができない「彼」に贈ってあげることができていたら、事態は変わっていたかも知れない。『生きがいについて』冒頭、「目ざめるということがおそろしくてたまらない」全てのひとに本書を贈りたい。

  • ネギっ子gen

    古今東西の哲学者、宗教家、詩人、作家、無名の人々の言葉を引用し、「生きがい」とは何かを論じた神谷美恵子の『生きがいについて』刊行から50年以上の年月が――。この書は、神谷の生涯や他作品に照らし合わせた時、作家自身の精神的自叙伝としての姿を現す。誰かのために、何かのために必要とされることこそが「生きがい」であると考えた神谷は、一度は見失った「生きがい」をいかに再び見いだしたのか。原型は、NHK・Eテレ「100分de名著」のテキスト。コロナ危機を経て、<単に加筆したというより、問いそのものを立て直した>と。⇒

  • k sato

    ハンセン病患者に寄り添った精神科医・神谷美恵子。「生きがい」とは何かを探究した。極限状況の人々に「生きがい」はあるのか。美恵子は、差別偏見に晒されるハンセン病患者や強制収容所の暮らしを綴ったフランクルを研究する。不自由な暮らしの中に小さな幸せを見出いだす人々。「生きがい」は人生の終着にある目標ではない。今をどう生きるかの源泉だ。そして、「生きがい」は作るものではなく、心の眼で発見するもの。わたしは「生きがい」を見失った。ただ、生かされているだけ。美恵子の教えに沿い、「生きがい」に再会するまで辛抱強く待とう

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