トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか 低体温症と事故の教訓

羽根田治

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784635140140
ISBN 10 : 4635140148
フォーマット
出版社
発行年月
2010年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
19cm,303p

内容詳細

1年の時を経て、同行ガイドのひとりが初めて証言。真夏でも発症する低体温症の恐怖が明らかにされ、世間を騒然とさせた、登山史上最悪の遭難事故・トムラウシ山遭難の真相に迫る。

【著者紹介】
羽根田治 : 1961年、埼玉県生まれ。フリーライター。山岳遭難をはじめ、登山技術、自然、沖縄、人物などをテーマに執筆活動を続ける

飯田肇 : 1955年、茨城県生まれ。名古屋大学大学院修了。富山県立山カルデラ砂防博物館学芸課長。立山山域の積雪雪渓調査、ヒマラヤ氷河調査などを主に行なう。日本山岳会によるカンチ登山隊などの学術隊員。日本山岳会、日本雪氷学会会員

金田正樹 : 1946年、秋田県生まれ。整形外科医師。登山は高校時代からはじめ、ヒマラヤ登山の経験もある。海外の災害援助の経験も多く、イラク戦争などの医療支援に従事

山本正嘉 : 1957年、神奈川県生まれ。東京大学卒。教育学博士。登山の運動生理学の研究をライフワークとする。在学中はスキー山岳部に所属。シヴリン峰北稜の初登攀、チョ・オユー無酸素登頂など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • NADIA さん

    先日読んだ山岳遭難の十大事故について書かれた本ではトリを飾った(?)、ガイド帯同のツアー旅行中に8名もの人が亡くなった大事故。その経緯と原因を多角的に検証・解明し、今後、二度とこのような事故を無くそうというのが目的だ。最終章でツアー登山という、ガイドに頼り切りな安易なスタイルの登山をすることで、トラブル時に自分の力で打開することができない「自立しない登山者」となることがないよう警鐘を鳴らしている。私は全く登山したくない人だが、このトムラウシ山には他の山にはない魅力を感じた。さすが登山家の憧れの山だ。

  • キムチ さん

    アミューズによるツァー登山事故を踏まえ、非常に緻密な分析を記した登山指南書。4人のリレー執筆の形をとっている。羽田氏をはじめ、Dr,運動生理学専門家、富山の学術調査員の述べる内容は正鵠を射ており、非常に為になる。トムラウシ遭難の教訓は随所で語り継がれ、8人の犠牲者の痛みは色褪せる事無く学び伝えられて行かねばならぬ。反対側のコース(富良野から入る)で白雲まで歩いた時は最高の条件で楽しく達成できた。が登山は「天候・装備・体力」が揃っている上に更なるアクシデントで何が起きるかわからない魔物がいる。自重!

  • kinkin さん

    この事故は記憶にある。当時かなり話題になっていたと思う。ガイドを含めた18人が遭難に至るまでの状況と、生死を分けたのは何故か、後半は低体温症や運動生理学につて書かれている。私はのこの事故そのものはよく書かれていると思うが、18人という大人数のためそれぞれの行動や発言の部分が少しわかりにくかった。もしこの事件を、新田次郎や吉村昭氏ならどうまとめただろうかと気になった。

  • 瑪瑙(サードニックス) さん

    遭難事故の事は当時ニュースで見たと思うのだが、あまり印象に残っておらず覚えていなかった。読メのおかげでこの本と出会えた。子供の頃から両親に連れられて生駒山にはよく登っていた。当時はほとんどのルートを記憶しており、遠足でも疲れる事はなかった。山はたとえどんなに低い山であっても油断は禁物。両親に教えられた。色んな事が重なって結果的に多くの尊い命が失われた事は辛い。ただ以前にも起きていた遭難事故の教訓が生かされなかった事が良くないと思う。登山を楽しむ為には周到な準備が必要だ。亡くなった方々の御冥福を祈ります。

  • gtn さん

    低体温症により、次々と力尽き、最終的に8名が犠牲となったトムラウシ山遭難。事故調査報告書に飽き足らず、生存者への取材を重ね、臨場感あふれるルポに仕上げている。不謹慎だが映画のような興奮を覚えた。他人が作ったプランに100%依存し、初めて会う人といきなりパーティーを組み、完全には信頼できないガイドに連れられて山に登るということは、かつては考えられなかったとは専門家の談。商売となれば無理が生じる。金をもらっている以上、当然対価を与えねばならない。宿泊費のキャンセル等損もできない。人災と言わざるを得ない。

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人物・団体紹介

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羽根田治

1961年、さいたま市出身。フリーライター。山岳遭難や登山技術に関する記事を、山岳雑誌や書籍などで発表する一方、沖縄、自然、人物などをテーマに執筆を続けている。2013年より長野県の山岳遭難防止アドバイザーを務め、講演活動も行なっている。日本山岳会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されて

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