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社会学 ソーシャル・サイエンス

筒井淳也

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000269971
ISBN 10 : 4000269976
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

心理学や経済学などの隣接分野と比べて、対象に近い。数量データをエビデンスとして用いない「質的研究」の比重が大きい。それらの性質をもって、「サイエンスと言えるのか」との問いを投げかけられもする社会学には、何ができるのか。古典的な研究から最先端の成果までを縦横に紹介しながら、その存在意義と今後の可能性を、鮮やかに描き出す。

目次 : 第1章 社会学における理論―演繹的ではない理論の効能(演繹体系としての理論/ 推論における偶有性の排除 ほか)/ 第2章 因果推論と要約―記述のための計量モデル(数量データの構造/ 関係モデルの優位性 ほか)/ 第3章 「質と量」の問題(質的研究と量的研究の分断/ 量的なものの質的決定 ほか)/ 第4章 知識の妥当性・実用性(距離化戦略と反照戦略(再び)/ 意味と反照性 ほか)/ 終章(「科学」への両義的な思い/ 科学との距離をめぐる戦略 ほか)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 無重力蜜柑

    良著。人文社会科学の「自然科学化」について扱う岩波の新シリーズの一冊で、副題の通り社会学の「非サイエンス」的な方法・理論・知見の内実や有用性を論じる。ところどころでポパーやクワインの名が出るし「社会科学の哲学」の認識論分野の例としても面白い。抽象的理論、数量データ、演繹的推論を特徴とする自然科学的な知の在り方を「距離化戦略」であり、それは分野の扱う対象に強い斉一性が想定できる(=扱う対象の構造がロバストである)が故に機能する。一方、対象が多様かつ変化に富む社会学ではそのような前提が通用しない。

  • awe

    難解で十分に理解できたとは言えないが(特に3章は珍紛漢紛)、これまで多少勉強してきたはずなのにいまだになんだかよく分からない「社会学」について、理解を深める/新たな仕方で理解する一助にはなったかなと。本書の狙いは明快で、それは社会学の持つ「非サイエンス」的な要素がいかに学問に貢献し得るか、ということである。確かに、社会学は社会科学の1つでありながら、常々「(社会)科学なのか?」と疑問を突き付けられている「肩身の狭い」学問だなという印象を持っているので、この問は感覚的に理解できた。まず1章では社会学における

  • ぷほは

    今年ベスト。社会学を他の自然/社会科学との比較からその特徴を炙り出していくと同時に、社会学内部における質的/量的の区別がいかに運用されているのかを、距離化戦略/反照戦略という二軸で整理していく。手際の鮮やかさにはもはや驚きはしないものの、エスピン‐アンデルセンの福祉国家比較論への評価や反照戦略としての質的調査に基づく研究への言及も非常にスマート。全体的には論点の再確認が多くやや冗長にも感じられるが、他の社会科学や科学哲学の専門家と一つ一つの論点をすり合わせながら書いているような文体がスリリングでもあった。

  • Bevel

    社会学はその内部に、因果推論を行う「距離化戦略」と緩い概念的なつながりで特徴を示す「反照戦略」を同居させている。最終的に切り開かれるのは、「何のためにそうするのか」、つまり戦略を採用する際の目的、時間、場合の問いである。筆者の結論は、研究対象の等質性/異質性がそのつどの判断の手がかりになるというもの。量か質か、文系学問は必要かなどの問いを巻き込みつつ、議論の射程は社会学を超え、一種の科学論にまで広がっていく。大きなストーリーだけでなく、出てくる事例が面白くて、考えさせられる。二章が刺激的だったな。

  • まあい

    「社会学はどのように科学的かor非科学的か」という疑問を抱いたことのある人すべてにオススメの1冊。コンパクトで面白く、また「はじめに」で議論の要約がまとまっているという親切設計。科学哲学的な議論でありつつ、同時に社会学における優れた研究の事例も挙げられており、「社会学ではどういう研究がなされているの?」という紹介にもなっている。

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