Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

• bura

  読了日：2025/11/22

  「最初の記憶は邪眼症の乞食を見たことである。」幼少期の回想から始まり、筆者の膨大な記憶の断片が時系列で綴られていく。少年期、青年期、中年期、老年期とありとあらゆる筒井康隆の人生とそこに関わる人々が全て実名でこれでもか！と登場してくる。いいのだろうか？その記憶力の凄まじさはもはやSFである。傲慢であり天才的な作家なのだ。「オレ」という一人称が途中から彼の作品の主人公の様に思えてくる。現在、転倒したことから施設に入居しているとの事だが、これならまだまだ筒井康隆健在と実感出来る自伝だった。

• keroppi

  読了日：2025/11/06

  筒井康隆91歳の自伝。自分が見聞きし体験したものに限って書いているそうだ。とにかく実名(だと思う)が次から次へと出てきて、書かれた方々は大丈夫なんだろうかと心配になってくる。その作家デビュー前の描写が特に面白い。筒井康隆全集刊行後は、ほとんどが初版で読んでいるので、自分の人生ともダブらせてしまう。まだまだ筒井康隆の書いた文章を読みたい。まだまだ元気に書いて欲しいと思う。

• ぐうぐう

  読了日：2025/11/06

  すこぶる面白い筒井康隆自伝。筒井自身の生き方の面白さもあるが、やはりそこは小説家ならではの描写の面白さがある。自伝は大きく、少年期及び青年期、そして中年期以降と分かれているが、驚くべき記憶力によって綴られている幼少年期・少年期がすごい。出会った人物の名前がフルネームで記され、出来事が詳細に紹介されている。もちろん、それが面白可笑しく描写されるのだ（そもそもの出来事が面白いのか描写が面白いのかわからないところも面白い）。（つづく）

• ＫＥＩ

  読了日：2025/12/04

  まさに筒井康隆ファンのための本（さすがに初読でこの本選ばないと思うが）。青年期以降は作品名がバンバン出てくるので、だいたい読んだことがある私は自分の読んだ時期を思い出しながら読むという変則的な読書になった。少年期から晩年期まで大変忙しい。実名で悪口が一杯、美人はよく覚えてるなど、とても人間らしい。

• だるま

  読了日：2025/11/14

  今までに自伝という物は余り読んでいないが、読んだ中では抜群に面白かった。昭和９年生まれの著者。その時代なので、幼少期は人や生き物が呆気なく死ぬ日常が開け透けに書かれている。著者の記憶力の凄さに驚く。そして敗戦を経て、青年期の映画への興味。やがて小説にのめり込み、デビューのきっかけになった筒井兄弟の同人誌の出版。その後の活躍は御自身のエッセイ等で目にする事が多いが、やはり段々と世間に認められていく様は痛快だし、所々で毒づいているのも愉快。これだけの自伝が書けるのだから、現在体調が悪いらしいが頑張って欲しい。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します