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モナドの領域 新潮文庫

Tsutsui Yasutaka

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101171562
ISBN 10 : 4101171564
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2022
Japan

Content Description

河川敷で若い女性の腕が発見された。ほどなく近隣のベーカリーでアルバイトの美大生が精巧な腕形のバゲットを作り、店の常連の美大教授が新聞のコラムで取り上げ、評判を呼ぶ。次に教授は公園で人を集め、その全知全能を示し始める。自らを神の上の「無限の存在である創造主」だという教授の真意とは。そして、バラバラ殺人の真相は?天才筒井康隆がその叡智の限りを注ぎ込んだ歴史的傑作。毎日芸術賞受賞。

【著者紹介】
筒井康隆 : 1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。’60年、弟3人とSF同人誌“NULL”を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が“宝石”に転載される。’65年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。’81年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、’87年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、’89(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、’92年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。’96年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。’97年、パゾリーニ賞受賞。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。’02年紫綬褒章受章。’10年、菊池寛賞受賞。’17年、『モナドの領域』で毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    河原で発見されたバラバラ遺体から、ベーカリーで作られたそれそっくりの精巧な腕。一見ミステリかと思いきや途中から思いもよらぬ方向に進むのはやはり著者だなあ。中盤法廷のシーンから形而上学的な会話が中心となるのだけど、普通に考えれば退屈な話題のはずなのに、これほど引き込まれ一気に読まされるのは偏に著者の力量故か。以前読んだハイデガーもそうだけど、哲学とか宗教の難解な部分を嚙み砕いて教えてくれるの本当にありがたいし面白い。それにしても登場するこの「神」、色々と俗な部分もあって魅力的。あの一文と言い著者の投影かな。

  • 優希

    面白かったです。筒井サンならではの世界観が広がっていました。どんでん返しはないものの、叡智の限りを詰め込んでいるような気がします。凡庸な書き出しからとんでもない内容へと導かれるのはもうお約束だと言えますね。筒井サンならではの歴史的傑作なのは間違いありません。

  • ちょん

    もービックリするくらい意味わからない(笑)裁判の途中くらいから文字が読めない、言葉として認識できない(笑)筒井さん、一体何考えてたらこんなお話が出来上がるんですか?パラレルワールドやタイムパラドックス系は好き、でもこれは難しい( ˘•ω•˘ )‼️

  • アドソ

    こういうのを神ファンサというのだろう。作者自身、これが(おそらく)最後の長編だと謳っている。作者自身の作品を含め、多くのSF的な何かのパスティーシュでありながら、作者十八番のドタバタ感はほどよく抑えられ、「これまたいつものように最後は唐突に突き放されるのでは」という心配をよそに、きっちりとすべてを回収して大団円。作者がGODなのか、GODが作者に書かせている体なのか、メタフィクションここに極まれりといった作品。

  • 流石全次郎

    40年くらい前。自分が高校生で多感な年頃に相当程度の影響を得た筒井康隆さんの小説。当時のドタバタ小説と謳われた作風が令和に蘇った感覚。著者も高齢、私も還暦前。成熟した作品と読者。高校生当時の感性を蘇らせて頂いた小説。抽象的な感想で申し訳ございません、GOD。

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