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方言漢字 角川ソフィア文庫

笹原宏之

User Review :5.0
(2)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044006051
ISBN 10 : 4044006059
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2020
Japan

Content Description

個性豊かな漢字は、先人からのメッセージ!

漢字は日本全国共通と思ったら大間違い! 話し言葉に「方言」があるように、漢字にも「地域漢字」や「地域音訓」が存在する。各地の陸や海でとれる多様な産物、祭祀や地元の言葉でさえも訓読みに変えてきた日本人。個性豊かな漢字には、先人からのメッセージが込められている。中国生まれの漢字は、起伏に富んだ日本列島の地形や風土をどのように表現してきたのか、豊富な事例から解説。著者が撮影した看板などの写真も多数掲載。

[目次]
第一章 漢字と風土──漢字の使用地域とそこに暮らす人々
第二章 北海道・東北の漢字から
第三章 関東の漢字から
第四章 中部の漢字から
第五章 近畿の漢字から
第六章 中国・四国の漢字から
第七章 九州・沖縄の漢字から
第八章 方言漢字のこれから

【著者紹介】
笹原宏之 : 1965年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部で中国文学を専攻、同大学院では日本文学を専攻。博士(文学)。早稲田大学社会科学総合学術院教授。経済産業省の「JIS漢字」、法務省法制審議会の「人名用漢字」、文部科学省文化審議会の「常用漢字」の改正・改定にも携わる。著書に『国字の位相と展開』(三省堂、金田一京助博士記念賞、立命館白川静記念東洋文字文化賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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『方言漢字』土地それぞれの言葉のちがいが...

投稿日:2021/07/07 (水)

『方言漢字』土地それぞれの言葉のちがいがあることは知っていても、その土地それぞれにしかない漢字の表記があることは正直知らなかったし、大人になっても気づいてなかった。もしかしたら、自分の地域にも当たり前に使っていることで、他の地域からしたら珍しい漢字のものがあるのかもしれない。この本に出会ってから、意識的に自分の地域の言葉を見直してみようとも思うようになった。しかし、土地に根付く珍しい言葉や呼び名の面白いものはあったとしても、表記そのものがちがう、貴重なものはそう簡単に出会えてはいない。著者のように全国各地の貴重な漢字に触れてまわり、研究している姿勢には感心するばかり。取り上げている数の多さにも驚く、根気よく探し続けている熱意でこうして本として読める喜び。各地を活き活きと表現している、風土に根ざしたさまざまな漢字の姿。伝達上の最適さや効果のあらわれとして各地で息づいている。示される多様性と、各地の固有性や特有性。地域の文化や歴史を知る手がかりとしての、その表記の役割りと奥深さ。守るべき土地土地に根づくひとつひとつの表現たち。ところ変われば光る個性も変わる、異文化を尊重し、受け入れる心の大切さを、強い意思を持って語っている内容に感動する。

seigo-hk さん | 長崎県 | 不明

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平成25年2月に「角川選書」の一冊として刊...

投稿日:2021/06/30 (水)

平成25年2月に「角川選書」の一冊として刊行された書籍の文庫判です。中国で生まれ,日本に伝わった「漢字」が,日本各地で使われる中で生じた「地域漢字」や「地域音訓」という,漢字文化の豊かな世界(の一端)を知ることの出来る好著です。実際に用いられている様子が分かる写真も豊富で,楽しく読み進めることが出来ました。自身の暮らす地域でも地域漢字」や「地域音訓」がないか,街へ出て探してみたくなりました。

梨杏 さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • へくとぱすかる

    単行本から7年。文庫で再読。漢字の世界がいかに融通無碍でバラエティに富んでいるかを教えてくれる「方言漢字」。県や地方ごとに、特有の文字・字形や読み方がある、と言ってもいいくらいだ。函館では「函」がやや省略した字形で使われる例が多いらしいが、京都でも祇園祭の「函谷鉾」の字は、函館での形と同様か、「凾」だったりする。「岾」は埼玉と京都の不思議な暗合を感じさせるし、「椥」はさらに研究を深められそうだ。方言漢字には、日本でここだけ、という貴重な例が多く、地名と同様、安易に改変したくない文化遺産だと思う。

  • わ!

    私にはとても面白いと思える本だった。とにかく全編、難読漢字の大洪水である。「方言漢字」というのは、漢字に関する地域性とでもいうべきもので、そうなると「地名漢字」が多くなるのだが、地名というもの自体が由来の中に地方の歴史や伝説を含んでいるわけだから、やはり方言漢字となるわけだ。著者は「JIS漢字」や「当用漢字」の改正改訂に携わられているそうだが、ここまで念入りにフィードワークをされるかたであれば。「この漢字は、地名のある現地では、まだ盛んに使われている」などの評価ができて、丁寧な改正改訂が成されるだろうな。

  • takao

    ふむ

  • ひじき

    イントネーションや言い回しの地域差はよく知られていても、漢字の地域差はあまり知られていない。そんな「方言漢字」にスポットライトを当てた本。とにかく情報量が多く、えっ何!?と思っている間に漢字の洪水に押し流されてしまう勢い。第二章以降は各地域の漢字をめぐるエッセイだけど常に漢字を探しておられる。漢字を足で稼いでいる…。地形を表す言葉には同じ音でそれぞれの地域の漢字があったり、同じ字が違う場所でたまたま生まれていたり、各地の工夫がにじみ出るのが面白い。表記揺れも気にしなくていいものがあるというのがいいな。

  • 志村真幸

     著者は漢字の研究者。JIS漢字、人名用漢字、常用漢字などの整備制定にも関わってきたという。  「方言漢字」とは著者の造語らしいが、その土地でしか通用していない特殊な漢字のことをさす。垈、垳、椣、杁などで、ほかの土地のひとは見たこともないし、当然、読むこともできない。主に地名に使われており、各地から列挙されている数の多さには驚かされた。  そうした漢字の多様性の理由にも、きっちり踏みこんで説明され、漢字の奥深さを思い知らされた一冊であった。  ただ、読み通すのに根気のいる本なのも事実。あまりに羅列的。

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