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海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集 講談社文芸文庫

笙野頼子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065217900
ISBN 10 : 4065217903
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2020
Japan

Content Description

「この人もう終わってるね?」―「終わるものか」ある日突然「私小説」の主人公が男から女になる。二十五歳でデビュー後、十年間本は出ず、八〇年代の片隅風呂なし四畳半送金あり、痛みと希死念慮をかかえた独居の歳月。不屈の思考と憧憬で紡いだ、幻の初期作品群。現在から過去を振り返る書下ろし「記憶カメラ」併録。

【著者紹介】
笙野頼子 : 1956.3.16〜。小説家。三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。1981年「極楽」で群像新人文学賞受賞。91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、’94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、同年「タイムスリップ・コンビナート」で芥川龍之介賞、2001年『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー賞大賞、05年『金毘羅』で伊藤整文学賞、14年『未闘病記―膠原病、「混合性結合組織病」の』で野間文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • n

    『海獣』再読。意味はよくわからないし捉えようとしても意味がこぼれていくし、理由はよくわからないのだが、美しい。水没した町のイメージが浮かんだ。大水青とモルフォ蝶の水いろと青が重なり、海獣たちの柔らかさ、水のなかを進んでゆく重み。眺めているだけで水の匂いや色がひらめき、水のなかに沈み、時間と動きがゆっくりしていくイメージ。詩のように読んだ。

  • n

    『海獣』すごく綺麗。引きこもってるだけなのにこんなふうに書いていいんだなぁ。〈ところで、死体のように暮らしたいという考え方にYが囚われたのは十年も前だ。そのくせ社会との関わりを断つ事に恐怖を覚えていた〉 『柘榴の底』重い。調子悪いときは読まないほうがいいかも。私小説と幻想の入り混じり方がすごい。『呼ぶ植物』ぶっ飛んでるなぁ。書くこと、ことばへの考察。狂いそうで読むのが怖い。〈「使徒おかあさん男」、につながる言葉はそんなにたくさんはない。せいぜい「暁の死闘」とか「コアラ預かり場繁盛の巻」、そんなものだ〉

  • stan

    著者最初の長編『皇帝』以後の初期短編集。どこか社会に違和感を覚えている主人公(おそらくは女性であることへの抑圧を感じている)が身体的な不調を感じながらも、夢・妄想が入り混じった様々なイメージを「幻視」する様が執拗に描かれている。妄想の中で様々なものを切り刻むことで社会と対峙しようとする『柘榴の底』では、特にぶっ飛んだ描写が凄まじい。最後に出てくるモチ(切っても切れない!)も、決して拭い去ることができない違和感を象徴するようで秀逸。

  • 読書メーターJr.

    目には目を、異常には異常を。現実が狂っていると思っているから、狂うことで抵抗している。現実逃避としての妄想。少し前の自分を見ているみたい。昔「人と一切関わらず自分の世界に閉じこもったらどうなるかやってみようかな」と思ってたけれどやる必要なかった。その結果がほとんどこの本に書かれている。言葉に対する独自の感覚を突き詰めた人の思考や日常の至るところにモチが現れるカオスを楽しめた。最後にひとことメモ。使徒おかあさん男。

  • 今野ぽた

    読んでいる間、本当に夢と現実の境が分からなくなってきて怖くなったので急いで読み終えた

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