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会いに行って 静流藤娘紀行

笙野頼子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065190708
ISBN 10 : 4065190703
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2020
Japan

Content Description

戦争、拷問、結核を超えキリストもマルクスも彼は信じない。仏像を床の間に置き天皇を叱る。一日に四百人の眼球を診察し茶碗が空を飛ぶ私小説を書いた。宇宙的私小説作家藤枝静男の人と文学。

目次 : これから私の師匠説を書く/ 師匠にお手紙を書く/ 志賀直哉・天皇・中野重治・共産党・師匠・金井美恵子・朝吹真理子・吉田知子・海亀の母・キティ・宮内淳子・私…?/ 師匠、師匠、何故に?かのやふに長き論考を残し賜ひしや/ 「「暗夜行路」雑談」・「五勺の酒」、という中黒丸で「冷静に」つなぐ後日談/ 特権階級意識の潜在と天皇への親愛感/ このまま真っ直ぐ行けばよいのか?―『暗夜行路』・『田紳有楽』・越えられない壁>>>>「二百回忌」/ 「夢、夢、埒もない夢」、「エーケル、エーケル」と、…師匠はこだわりなく作中に書いている。とはいうものの『田紳有楽』は常に、自覚的に書かれている故に成功したのであると私は言いたい…。/ さあここで国語の試験問題です、これを書いている僕はどんな人か?/ 池は魂、水は欲望の通路、茶碗は割って沈めた自我、水棲生物は過去の記憶え?そんなのあらすじ紹介の横にきちんと纏めとけだって、しかしそんな事したらあのめくるめく錯綜がぶつぶつに切れてしまう。ていうか既に支離滅裂寸前だし。なので引用もどんどん、後ろに纏めます。/ 最終回に仕残したもの?しかしすべて日本も、とうとう、最終回なのかも?―やめろ一億焼け野原!審議拒否しろ(後述)日米FTA#/ というわけでニッポン合掌 ニッポン馬鹿野郎、首相と一緒にラグビー見ていた?何も知らずに? ニッポン、終末/ 「犬の血」と「イペリット眼」、私小説における、医者的報道的自我について/ 「硝酸銀」はフィクション、『空気頭』は「真実」、「冬の虹」は遠景記録物、そして師匠にとっての、戦争とは?/ 『空気頭』の一行空きについて引用する/ 妻の遺骨、『悲しいだけ』、「庭の生きもの」、「雛祭り」/ 彼の化けた骨董

【著者紹介】
笙野頼子 : 1956年三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。’81年「極楽」で群像新人文学賞受賞。選考委員の藤枝静男に絶賛される。’91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、’94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、同年「タイムスリップ・コンビナート」で芥川龍之介賞、2001年『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、’04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー大賞、’05年『金毘羅』で伊藤整文学賞、’14年『未闘病記―膠原病、「混合性結合組織病」の』で野間文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Bartleby

    この作者の小説タイトルはいつもすばらしい。「水晶内制度」「タイムスリップ・コンビナート」など。本作は私小説作家・藤枝静男に私淑する作家が書くその名も「師匠説」。彼女は群像新人賞を受賞するにあたり藤枝氏に激賞され涙まで流さしめたらしい。いわば今や守護霊のような存在。そんな師に初めてまっこうから向き合ったマジックリアリズム小説ならぬマジック私小説。相変わらず尖っていて良い。思えば中学生のときたまたま彼女の小説を読んだ時だった、小説を初めて芸術と意識したのは。

  • 三柴ゆよし

    師と仰ぐ作家、藤枝静男に捧げる私小説もとい師匠説とのことだが、そこは笙野頼子のことである、ただの師匠リスペクト小説にはなっていない。多くの引用、身辺雑記、時事ネタ……etcがプリコラージュされることで、藤枝静男について語ると同時にじぶん自身のこともちゃっかり饒舌に語りまくる。「私」という糠床に「師」という素材をぶち込んで、そうして生まれたものは「私」なのか、それとも「師」なのか? 何について、誰について書いても要するに「私」に収斂していってしまう、小説の業を感じる作品。藤枝静男を再読したくなった。します。

  • kenitirokikuti

    図書館にて。2020年刊行、群像に連載。純文学には不案内なので、私は藤枝静男を知らなかった。手元にある国語便覧(正確には新国語総合ガイド、初版2003年で、四訂2018)には藤枝の名前はない。藤枝は志賀直哉の弟子ないし友人、白樺派の裔で幻想みの強い特異な私小説の書き手。国文科で現代文学をやる人間に知られているという感じかな。藤枝は読むに値するというと見たので本書は再読しよう▲本筋とは関係ないが、トランスジェンダーの件で笙野が日本共産党と袂を分つ直前のものだ。今では女性中心の福祉の党のようだ、と書いている

  • 小谷野敦

    藤枝静男は群像新人賞選考委員だった時、最終選考に残った笙野頼子の「極楽」を、泣いて推して受賞させた恩人であり「師匠」だという。しかし名前は消してあったので藤枝は50代の画家の私小説だと思っていたから若い女だと知って呆然としたという。だが笙野は、大庭みな子とか、世話になった作家への恩義で生きているので厄介だ。いつもよりは攻撃性の少ない文章だが、途中から「志賀直哉・天皇・中野重治」の話になり、天皇制批判から中野重治の「暗夜行路雑談」に対する妙ないちゃもんになってきて、そこで読むのをやめた。

  • うさぎや

    私小説ならぬ「師匠説」。その「師匠」の作品を読んでいないので多少難しいところもあったが、とにかくとても気になった。

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