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動的平衡は利他に通じる 朝日新書

Shinichi Fukuoka

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022953087
ISBN 10 : 402295308X
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2025
Japan

Content Description

生命は流れに浮かぶ“うたかた”である―動的平衡の行く末を示す、著者の真骨頂!生命は、他者のエントロピー(乱雑さ)排出を、もういちど秩序あるものに作り返して成立する互恵的な関係性をもつ。動的平衡は利他性によって支えられており、進化も利他的共生が織りなしたものなのである―。生のさざ波に耳を澄ませた随筆集。

目次 : 1 生命の惜しみない利他性 2015.12.3…2016.7.7/ 2 内部の内部は外部 2016.7.14…2017.2.16/ 3 「記憶にない」ことこそ記憶 2017.2.23…2017.9.21/ 4 追い立てるのではなく 2017.9.28…2018.5.31/ 5 問い続けたい「いかにして」 2018.6.7…2018.12.27/ 6 やがては流れ流れて 2019.1.10…2020.3.19

【著者紹介】
福岡伸一 : 1959年東京都生まれ。京都大学卒。青山学院大学教授、ロックフェラー大学客員教授。分子生物学専攻。ハーバード大学医学部フェロー、京都大学助教授などを経て現職。『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)で、サントリー学芸賞、および新書大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • tamami

    本書は原題を『ゆく川の流れは、動的平衡』といい、朝日新聞のコラムとして、長期に渡って連載された。著者の福岡さんは、「動的平衡」という言葉と共に、専門の生命科学だけでなく、自然科学畑の話題を広く深く、その上で文学や美術、日常生活での著者自身の気づきを絡めて考察されていて、素敵な読み物となっている。「機械は延長を欠いた一点としての現在しか捉えられないが、人間の知性は、現在を点ではなく、未来と過去を同時に含んだ空間として考えることができる。その厚みの中に心の動きが生まれる。」という言葉に人間の進むべき道がある。

  • うえぽん

    分子生物学者が朝日新聞に連載した随筆集。筆者の生命論のキーワードである動的平衡とは、エントロピー増大の法則を先回りして、あえて分解を先行させ、遅れて合成を行うことでバランスを保つことを指す。日米の拠点を往復しながら、生物学や芸術・文化等について翻訳で鍛えた無駄のない言葉で語る。定足数のように一定以上増加して初めて毒素を出す病原細菌、物質としてではなく関係性として保持される記憶、過剰が効率を凌駕しているシナプスなどの専門家ならではのコメントの他、フェルメールの青を愛する様子など、多才を感じさせる作品である。

  • アナクマ

    科学エッセイ群。繰り返される一節「動くものを見届けるには、自分自身の動きをとめなくてはならない」。〈おじさんの、つまらなく見えるルーチンは、日々の異状を感知するための挙動とも言える〉を思い出す。あるいは、瞑想/マインドフルネスというのもそういうことだろうと理解している。◉科学エッセイですがそれだけにとどまらない。学術用語の邦訳例から逆翻訳(原語併記)への提言があったり、さまざまな死に対する詩的な成分が込められていたり。ひとりの人間が想いをいたす範囲はかくも広いのだ(たぶんあなたも私も)と思わされました。

  • アナクマ

    第1話に殴られた。「樹木は、この溢れんばかりの過剰を、使うことも、享受することもなく自然に還す」というシラーの言葉から「その利他性を絶えず他の生命に手渡すことで、私たちは地球の上に共存している」と続く。この営みが〈動的平衡〉であると。◉太古の生命は「青に向かって必死に泳いだ」だから私たちは青を美しいと感じるのではないか。「密かに仲間を募ってから、機を見て一気に行動を起こす」弱者としてのバクテリア。実際の青虫は『はらぺこあおむし』ほどにいろんなものを貪ったりしない、など193のエッセイ、スケッチ、詩か短歌。

  • 流石全次郎

    毎週1回、朝日新聞に掲載された生物学者福岡伸一先生のコラムの集大成。1回の掲載が新書の1ページに収まっていて、前書き目次を含んで236ページに及ぶ。以前からわかり易くきれいな文章を書かれる方だと思っていたけど、ご本人が蓄積されている古典文学、数学、物理学、美術、歴史等々、知識と教養の引き出しがさらりと開かれ優しく語られる。連休で固めて読んだけど、手元に置いてぱらぱら読むとより楽しく読めたかもしれません。

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