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大和怪異記

福井栄一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784768459720
ISBN 10 : 4768459722
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2025
Japan

Content Description

宝永六年(1709年)に刊行された編纂者不明の怪談集の本邦初現代語訳。原著は東北から九州まで、古くは奈良時代に残された怪異を短話形式で計105篇おさめた古典怪談のアンソロジーである。

その出典は『日本書紀』をはじめとする歴史書から『風土記』などの説話集まで、古今東西、時代も場所もさまざまだ。

八百万の神、鬼、龍、祟り、怪異、占い、夢枕、輪廻転生、民間伝承‥‥奇怪で不思議なエピソードが次々と登場するが、何より恐ろしいのは、これだけの怪異を一体誰が、何のために蒐集し後世に残したのか皆目分からないことである。

編纂者不明の怪談本という奇書。ジャパニーズ・ホラーの原点ともいえる日本最古の怪談、その禁忌に上方文化評論家・福井栄一が挑む。
古典に関心のある方から、怪談愛好家の方まで、良質な恐怖をひろく楽しめる一冊。

【著者紹介】
福井栄一 : 上方文化評論家。四條畷学園大学客員教授。大阪府吹田市生まれ。京都大学法学部卒。京都大学大学院法学研究科修了。法学修士。日本の歴史・文化・芸能・民俗に関する講演を国内外でおこない、テレビ・ラジオなどマスコミ出演も多数。剣道二段(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    神話時代から近世の庶民にかけて起こった不思議な怪異譚を収録。1巻第10話の「豊後国田野のこと」は「神様は一粒の米にも宿る」説や米の値上がりでヒィヒィ言っている現在から鑑みてもゾッとする話だ。因果応報譚が多いが、源頼政の鵺退治の後日譚や嫉妬深い愛人の怨みで脚の根元に人面瘡ができて落魄した男など、後味の悪いものもあります。その上、地域は違えども子育て幽霊や鍛冶が媼などと類似点がある話も多いのが興味深い。それにしても伊賀に兼好法師の墓地があったなんて知らなかった。また、横道のような訳註が中々、楽しい。

  • moon-shot

    本書の出版は宝永六年(1709)。時あたかも宝永地震や富士山の大噴火等の災害が頻発し、御伽百物語のような奇譚集が流行して怪談文学の隆盛期とも言える時代でした。一話一話は短く、短編と言うよりショートショート。全105話からなる構成は百物語を意識しているかもしれません。「殺生の報いで目鼻がなくなる病にかかること」が僅か5行の物語だけど怖かった。あと人の背から虱が湧き出る話とお祖母さんが3歳の孫を殺す話も怖かった。福井さんの現代語訳はとても読みやすかったです。ただ「猫又」は筑後の話になってますがこれは越後では?

  • ekura

    宝永6(1709)年刊、7冊本の怪談集の現代語訳。『古今犬著聞集』からの引用が7割。関係あるようなないような訳者注がご愛敬。

  • やいゆえよ

    なんだかどこかで聞いたことがあるようなないような怪異譚が百数篇集められている江戸時代の本。数寄者は時空上いたるところにいて、それは現代人とそう違わない。/現代語訳者のツッコミ(?)で脱力するのがご愛嬌。

  • とりもり

    「怪異」と言ってもそんなに怖い話はなくって、どちらかと言えば殺生を諌めるような道徳話が多い。女性の嫉妬が男を悩ませる話が多いのは江戸時代だから仕方ないが、あまり現代的ではないな。一つ一つの話の後に訳者の注釈があるが、本文とあまり関係がないものが多く、これはこれで面白かった。「金」の注釈にある「うなるのは 嘘だが金は ものをいい」という川柳が秀逸。「怪異記」と関係ないけど。★★★☆☆

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