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新築がお好きですか? 日本における住宅と政治 叢書・知を究める

砂原庸介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784623083664
ISBN 10 : 4623083667
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

家族を持つようになれば住宅を買う、そのような「持家社会」は、日本においてなぜ形成されてきたのか。本書では、新築住宅を購入するという選択が、様々な個別の法律や規範・慣習などに相互補完的に支えられてきたことを明らかにする。経済面だけでなく、政治の側面からの議論を深めることにより立体的にその「制度」に迫る。

目次 : 序章 本書の課題/ 第1章 住宅をめぐる選択/ 第2章 住宅への公的介入/ 第3章 広がる都市/ 第4章 集合住宅による都市空間の拡大/ 第5章 「負の資産」をどう扱うか/ 終章 「制度」は変わるか

【著者紹介】
砂原庸介 : 1978年大阪府生まれ。2006年東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士後期課程単位取得退学。2009年博士(学術)。大阪市立大学大学院法学研究科准教授、大阪大学大学院法学研究科准教授、神戸大学大学院法学研究科准教授を経て、ブリティッシュコロンビア大学アジア研究所客員准教授(2016年8月〜2018年8月)。現在、神戸大学大学院法学研究科教授。『大阪』中公新書、2012年、第35回サントリー学芸賞受賞。『分裂と統合の日本政治』千倉書房、2017年、第17回大佛次郎論壇賞受賞、ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • yamatoshiuruhashi

    タイトルで新築住宅取得優先の現状から優良賃貸住宅への転換提言かと思い購入したが、新築住宅取得を人々が模索する現状の分析の本と理解。何故日本では新築住宅取得へ人々が向かうのか、それを政策を核に読み解く。その原因は十分納得するが、今一歩、現状打破の何かが欲しかった。本書に述べれらる分譲マンションの懸念は実に全く同意するところであり、そのためわが社では10年ほど前に分譲マンションの施工を止めた。政策、法律が変えられ整備されない限り将来への大きな負債を作るばかりである。人口減少社会となり対策を打つのは急務だ。

  • アナクマ

    持家社会は、新築住宅を購入するという選択が、様々な法律や規範・慣習に相互補完されて支えらてきた。土地や住宅に対する極めて強い所有権の尊重も一因。◉人口減少をむかえた都市はスポンジ化し、住宅は負の資産に。コンパクトシティを促すコストは莫大で費用負担が問題。◉これまでとは異なる人々の行動を促す政策を行うことだ。宅地開発と新築建設は抑制。中古住宅市場の育成や賃貸住宅にかかる費用の低減もカギ。負の資産の処理は難しいので増やさない仕組みが重要。人々の共有資産から得られる共通の利益を大きくするガバナンスが必要。

  • owlsoul

    高価な買物である住宅には購入とは別の「取引費用」が発生する。物件の不具合を調べる費用や、予定地の近隣情報を収集するコスト。住宅の売り手や貸し手側にとっては、買い手が代金を払わない可能性や借り手がつかないというリスクも取引費用となる。その結果、空室リスクのない持家は大きくなり、逆に賃貸住宅はリスクを下げるため小さくなる。日本政府は経済成長の起爆剤としてその流れを推奨し、国民は仮住まいの賃貸から出て持家を新築するという「制度」を享受した。そして現在、劣化した個人の持家は空き家という負の遺産へと変貌し始めている

  • ことぶき あきら

    まず、書名が秀逸。単に「日本における住宅と政治」だったら目にとまらなかったかもしれません。多少のキャッチャーさと本書における問題提起を良く示しています。持ち家であれ賃貸であれ、住居費は人生における最も大きな出費のうちのひとつですが、なかなか政治のトピックにならないし、政治学のトピックにもなりません。各人が自力で(実際は制度の影響があることは本書を読めば分かるが)持ち家を購入するという私的なことと思われているからでしょうか。家族向けの良質な賃貸物件が少ないので、家族持ちは必然的に持ち家になる等。面白かった。

  • バーニング

    おもしろかった。日本における住宅の供給や取得にかかわるもろもろをひとつの制度として見立て、かつてはそれなりにうまくいった制度も人口減少社会における新築の過剰供給や空き家問題など制度疲労を指摘。新築に比べてなかなか市場化されないできた中古住宅や空き家をどうするかという問題を含め、人口減少社会における制度に長期的に移行すべき、と言うのが大きな筋かな。青森や富山のコンパクトシティがなぜ失敗したのかも触れていて、郊外化という現状変更の困難さや市街地に住むコストなどを考えればさもありなんかもしれない。

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