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石牟礼道子椿の海の記水はみどろの宮他 池澤夏樹=個人編集日本文学全集 全30巻

石牟礼道子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309728940
ISBN 10 : 4309728944
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『苦海浄土』で知られる、戦後日本文学における最重要作家。ふるさと水俣で過ごした幼少時の甘い記憶が豊かに綴られる。「椿の海の記」他、エッセイ「タデ子の記」、詩などを収録。

【著者紹介】
石牟礼道子 : 1927〜。熊本県生まれ。水俣実務学校卒業後、代用教員、主婦を経て、詩人・谷川雁のサークル村に加わり、詩歌を中心に文学活動を開始。1969年、水俣病患者の魂の声を描いた『苦海浄土』三部作の第一部となる『苦海浄土わが水俣病』を発表し大きな反響を呼ぶ。73年、マグサイサイ賞受賞。93年『十六夜橋』で紫式部文学賞、2001年朝日賞、02年『はにかみの国 石牟礼道子全詩集』で芸術選奨・文部科学大臣賞、14年『祖さまの草の邑』で現代詩花椿賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    『苦海浄土』の作者としか知らなかった石牟礼道子さんは類まれなる記憶と自然への畏怖、人の営みへ愛おしさに溢れた素敵なお方でした。「椿の海の木」の自然が息づく様が五感に伝わってくる茶目っ気とユーモアに溢れる美文に酔いしれました。おもか様の髪に鈴振草を忍ばせて結い上げ、それが鳴る様を一緒に楽しむ姿は余りにも美しい。そして「こんにゃくや」の女将さんが天草から来た遊女の娘を悪く言う女達に対し、彼女達の死の間際の言葉を伝えて諌める場面は人の情の深さを心に染み入らせます。だが日本窒素肥料工場の登場に遣る瀬無くなったり。

  • KAZOO

    池澤さんはよほど石牟礼さんの作品が好きなのですね。「苦海浄土」は池澤さん編集の世界文学全集のほうに収めているので、こちらにはどちらかというと石牟礼さんの若いころ、あるいはふるさとのにおいがするものを収めておられます。日本がまだまだ、工業化の波に洗われていない頃の作品で懐かしさなどがあります。日本の田舎という感じです。

  • starbro

    池澤夏樹=個人編集 日本文学全集全30巻完読チャレンジ第十一弾です。石牟礼道子、初読です。文章も美しく、小説、詩、能等、多彩な文才は感じるものの、あまり入り込めず、今巻は修行のような感じでした。池澤夏樹の思い入れが強すぎる感じがします。「石牟礼道子なくして戦後文学の完成はなかった」という評価は過大すぎる気がします。だからこそ石牟礼道子で丸々一冊なんでしょうけど・・・

  • アナクマ

    『椿の海の記』著者4歳、父におぶられ故郷水俣の海べりをゆく。あの先にあるのはなにと問い、それが物語舞台の描写となる。先には山の神、川の神、野山の精気がある。拓き始めた温泉場がある。爺さんの家と後妻と、狂女となった婆さんがおる。◉「数というものは無限にあって…星の数よりどんどんふえて、死ぬということはないのではあるまいか」と畏れる。しかし父は言う「かんじょうしきれんうちにくたぶれて、死んでしまうけん、それでおしまいた」死は安息だと。◉読解が不正確でもご容赦。時速20ページほどで味読中。ズドンとくる、これは。

  • ぐうぐう

    静謐だが力強く、愛しさに満ちているが哀しみと怒りがそこには秘められている。幼少時代を振り返った物語『椿の海の記』が自伝ではなく文学と成り得ているのは、彼女が綴る言葉にそんな感情が、いや、命が宿っているからだ。故郷水俣の美しい自然と活き活きとした人間達の営みがここには描かれているが、「塘一帯はいま、チッソの八幡プール残渣の下に生き埋めのまま、神々とともにあった、ひとびとの壮大な魂の世界は水銀漬となり、わたしの村の目前にある。」という一文が示すように、もはやなくなってしまった風景であり、営みである。(つづく)

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