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ISBN 10 : 4787235478
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東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会は一年の延期を経て、2021年7月から開催された。東京にコロナ禍による緊急事態宣言が発令されたさなか、無観客で実施され多くの賛否を巻き起こしたが、東京大会の正負両面のレガシー(遺産)はいまだ正面から検証されたとはいいがたい。
招致から準備、開催に至るまで私たちは東京大会というメガイベントとどのように向き合ったのか。オリパラの現代的な構造や役割、それへの賛否という基本的な知識や情報を押さえたうえで、大会の理念、政治やインフラ、都市、競技場、ボランティア、ホストタウン、新しい競技の採用などの個別具体的な事例を丁寧に検証する。
そのうえで、ジェンダーやLGBTQ+、教育などの社会的な価値観の変容にも注目して、東京大会がスポーツ界や日本社会に与えた影響を真正面から多角的に分析する。
【目次】
序 章 東京大会は何を生んだのか 石坂友司
第1部 メガイベントとしてのオリンピック
第1章 東京大会開催の経緯と構造的な諸問題 石坂友司
第2章 メガイベント(活用)が生み出す課題と可能性 小澤考人
第3章 「記憶と評価」からみた東京大会 石坂友司/松林秀樹/小澤考人
第4章 「政治的レガシー」を考える 丸山真央
第5章 イベント・インフラのネットワーク的基盤と都市経済再編――東京大会の場合 町村敬志
第2部 スタジアムと都市
第6章 東京大会の開催で、観光分野はどうなったのか 小澤考人
第7章 新競技場の建設と後利用の課題 石坂友司
第8章 仮設競技会場は、東京という街にふさわしかったのか 山嵜一也
第9章 開催都市のバリアフリー――変容するバリアフリー概念 山崎貴史
第3部 ソフトレガシー
第10章 東京大会の「ボランティアレガシー」は残るのか 金子史弥
第11章 開催地域が生み出した遺産――世田谷区のホストタウン事業と「うままち」の取り組み 石坂友司
第12章 「幻の復興五輪」とB級被災地――東北の地から、「復興五輪」を語り直す 山ア真帆
第13章 ニュースポーツの採用がもたらしたもの 水野英莉
第4部 価値の変容/社会の変化
第14章 スポーツ組織の取り組みから「ジェンダー平等」を問う 山口理恵子
第15章 多様性と調和――LGBTQ+の権利運動とプライドハウス東京コンソーシアム 野口亜弥
第16章 オリパラ教育 渡 正
第17章 二度目の「東京オリンピック」はどのように記憶されていくのか――公式記録映画『東京2020オリンピック SIDE:A/SIDE:B』が描いてい‥
【著者紹介】
石坂友司 : 奈良女子大学生活環境学部教授。専攻はスポーツ社会学、歴史社会学
小澤考人 : 東海大学観光学部教授。専攻は観光社会学、文化社会学
金子史弥 : 立命館大学産業社会学部准教授。専攻はスポーツ社会学、スポーツ政策論
山口理恵子 : 城西大学経営学部教授。専攻はスポーツとジェンダー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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