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沈黙 の自伝的民族誌 サイレント・アイヌの痛みと救済の物語

石原真衣

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784832968578
ISBN 10 : 4832968572
Format
Books
Release Date
April/2020
Japan

Content Description

まだ、語られたこともなく、気がつかれたこともなく、歴史にも、社会にも存在しない、私の痛みが、確かにそこにあった―。溢れ出る「不在の言葉」たち。

目次 : プロローグ―“沈黙”という問題領域/ 第1章 序論―透明人間の声を聴く/ 第2章 他者表象の死角と沈黙/ 第3章 自伝的民族誌の方法論/ 第4章 家族史―もうひとつのポストコロニアル状況/ 第5章 真衣―「サイレント・アイヌ」の物語/ 第6章 現代アイヌ民族概論/ 第7章 結論/ エピローグ―“沈黙”という希望=創造=暴力

【著者紹介】
石原真衣 : 1982年サッポロ生まれ。母方の祖母がアイヌ、父方の祖母は琴似屯田兵で会津藩士の出自。アメリカ留学を経て大学卒業後、英語教員として勤務。北海道大学大学院に進学し博士号取得。北海道大学アイヌ・先住民研究センター助教。文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • どんぐり

    博士論文をもとにした書籍。アイヌの出自に〈自伝的民族誌〉の手法からアプローチし、現在置かれている状況を論じている。キー概念はサイレント・アイヌ。12歳の時に母親からアイヌの出自であることを告げられた著者は、28歳で北大大学院に入学するまで自己をアイヌと認識する場面はなかった。アイヌとして共有できる経験も文化もなく、著者は「和人とアイヌという言葉を聞くとき、自分がどちらなのかわからない」という。そこでアイヌの出自を持ち、自己が何かわからなくなり沈黙している人々を指す用語として「サイレント・アイヌ」を提唱し→

  • コウヘイ

    アイヌのルーツを持ちながら、アイヌ文化に帰属意識を持つこともできず、かといって差別に苦しみ和人社会と同化して生きてきた先祖の歴史を否定して和人としても生きることもできない、社会の「異物」「第三項」として生きるアイヌの女性の物語。彼女による彼女の家族の物語を聞くことで、(それが個別具体的なアイヌ家系の物語であることは承知の上で)各時代におけるアイヌの人々の置かれた状況、意識の変化を感じ取れる。

  • thugu

    自分が正しいと思ってやっていたことで、誰かが痛みを感じていたかもしれないと、考えさせられた。自分の枠組みで分類するのは危険である。分類できないときに情けをかけるようなことをしては、相手の尊厳を損ねるだけだとも思った。 以下、印象に残った箇所。〈他者の声を奪わないということは、想像するよりもはるかに難しいことだと思う。ある首長を行うことは、その主張に合わない声を排除する可能性を持つ。正義や善意が組み合わせられると、自体はより一層複雑になる。〉

  • いたる

    北海道におけるポストコロニアルな歴史によって、アイヌと和人という2つの枠組みからこぼれ落ちてしまう人々の存在を、オートエスノグラフィーの手法で明らかにする。非常に重みのある読み応えでした。

  • 健康平和研究所

    関東人の両親を持つ私は関西で生まれ育ち、自分は関東人でもなく関西人でもないのを悩んだ時期があり、未解決のままだったけど、ありのままで良いとわかり、勇気をもらう。286頁 後ろから8行目「愛する真衣江」の江はへの間違いかしら。

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