Product Details
ISBN 10 : 4622096250
Content Description
『全体主義の起原』や『人間の条件』をはじめ、20世紀を代表する政治哲学者ハンナ・アーレントへの注目は、ますます高まってきている。しかし、彼女独特の鍵概念である“現われ”や“あいだ”は、伝統の崩壊という認識からはじめられた彼女の政治的思考と、どのように結びつくのか。また亡命ユダヤ人であるアーレントは、なぜ論争を生んだ『イェルサレムのアイヒマン』を書いたのだろうか。本書は、ヤング=ブルーエルのアーレント伝や膨大なエッセイ・書簡に分け入りながら、「アーレントとは何者か」を真摯に問いかけていった成果である。亡命知識人アーレント/政治と“あいだ”/アイヒマン論争と“始まり”/「木の葉」の“身ぶり”の4章。小著ながらみごとな作品が、ここに誕生した。
目次 : 第1章 亡命知識人アーレント(アーレントの不在と存在/ 最後のドイツ系ユダヤ人/ 「われら」と「亡命者」のあいだ)/ 第2章 「政治」と“あいだ”(断崖の思考/ 「思索日記」の語るもの/ “対等”の条件)/ 第3章 アイヒマン論争と“始まり”(最後の語りかけ/ 「心」の役割/ 削除された“始まり”/ 政治的思考のために)/ 第4章 「木の葉」の“身ぶり”(“応答”としての“身ぶり”/ 「木の葉」の自由/ 残骸の重さ/ 「戦線」の超越、あるいは中断)/ 結論に代えて
【著者紹介】
矢野久美子 : 1964年生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。現在、フェリス女学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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