伯林蝋人形館 文春文庫

皆川博子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167440091
ISBN 10 : 4167440091
フォーマット
出版社
発行年月
2009年08月
日本
追加情報
:
16cm,396p

商品説明

甘美にして残酷な日々よ――
狂乱へと向かう1920年代のベルリン。激動の歴史に飲み込まれる6人の男女。その交錯する人生模様。壮大な歴史ミステリー長篇

内容詳細

第一次世界大戦に敗れたドイツ。極端なインフレと共産主義との闘いで混迷するなか、退廃的な文化も爛熟を深めてゆく。元プロイセン貴族の士官で戦後はジゴロとして無為に生きるアルトゥール―彼を巡って紡がれた、視点の異なる6つの物語の中に、ナチス台頭直前の1920年代のドイツの幻影と現実が描かれる。

【著者紹介】
皆川博子 : 昭和5(1930)年生れ。東京女子大学外国語科中退。48年「アルカディアの夏」で第20回小説現代新人賞を受賞。60年「壁―旅芝居殺人事件」で第38回日本推理作家協会賞、61年「恋紅」で第95回直木賞、平成2年「薔薇忌」で第3回柴田錬三郎賞、平成10年「死の泉」で第32回吉川英治文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • nobby さん

    あー、久しぶりに味わう皆川さんな耽美な世界!『開かせていただきー』で描かれた18世紀ロンドンに代わる今作の舞台は第一次世界大戦前後の質実剛健なドイツ。6つの章に人物名が当てられ、書体変えて短編と作者略歴が並べられている。正直、最初は古典的で幻想的な文体に戸惑い、どうもうまくからみ合わずズレが歯痒く首をかしげるばかり…ようやく数人の目線で重なり出す中盤から、脳内整理が進み、最終章で納得。そして時系列繋がる解説でスッキリ!なるほどA**に始まりZ**へ至る。ピュアなメッセージ素晴らしい!

  • HANA さん

    大戦間で混迷を極めるワイマール共和国。そこを舞台にした六つの短編で構成されたアンソロジー。という体なのだが、小説部分で書かれた面が著者来歴ではまた違った面を明らかにし、それがさらに別の著者の視点では違った様相を呈し、と入れ子構造の複雑さが只事ではない。と同時に徐々に明らかになっていく人間関係の様子に目が離せなくなる。この書物が誰によって書かれたかは明らかにされるのだが、混迷の様子も全て著者とその人物の手の中で踊らされた気分。人間関係まで幻想の中の出来事みたいで、熱に浮かされているような読み心地でした。

  • ももっち さん

    死の泉、薔薇密室に続けて読んだ本作。これも圧巻としか言えない素晴らしさ!第1次世界大戦後のドイツ。混迷と頽廃と荒廃が渦巻く灰色の重い世相の中で、アントゥールという青年を巡り紡がれる夢と現の交錯の物語。ボレロの演奏のように繰り返される主旋律に少しずつ加わっていく楽器のような新たな視点。霧の中に朧気に見える姿が次第に顕われる。目を凝らす私は、薬物のもたらす恍惚に、ヨハンの美しい詩が醸す酩酊に、過酷な時代への絶望に溺れ沈んでいくのだ。蝋人形に、愛しい者達の刹那を残し、紡ぐ物語に満たされぬ想いを込める。ああ最高!

  • 優希 さん

    第一次世界大戦後、1920年代のドイツが舞台の幻想的な短編集でした。短編の形式で6人の男女の運命が交錯していく様子を描いています。短編と作者の語りが交互に出てきますが、物語を読み進めていくうちに全貌が明らかになっていくのが興味深いところです。視点の変わった小説となることによって見える幻影は、現実との境界が曖昧となり壊れていくように感じられました。危うくて汚らわしい匂いを発しながらもどの場面を切り取っても美しさがあります。虚偽と残酷さのめぐりめく世界が冷たい美を醸し出していました。

  • アマニョッキ さん

    大好きな読友さんお薦めの本書。皆川さんの作品は本当に美しい。夢と現をさまよいながら幻惑的な世界へいざなう手法はまるで麻薬のようです。作品のなかで飲み物に阿片チンキを滴すシーンがあるのですが、私も皆川さんという阿片チンキにすっかりやられてしまったようです。心地のいい混乱をもたらしてくれる一冊でした。

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人物・団体紹介

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皆川博子

昭和4年(1929年)、京城に生まれる。1972年、少年向け時代小説『海と十字架』でデビュー。1973年、「アルカディアの夏」で第二〇回小説現代新人賞を受賞して本格的に活動を開始。推理小説、幻想小説、時代小説、西洋歴史小説の各ジャンルを横断して多彩な作品を数多く発表している。日本推理作家協会賞、直木

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