書店不屈宣言 わたしたちはへこたれない ちくま文庫

田口久美子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480434845
ISBN 10 : 4480434844
フォーマット
出版社
発行年月
2017年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;15

内容詳細

1973年に書店員としての人生をスタートし、現在も副店長という立場で現場に立ち続ける著者による書店ドキュメント。ネット書店におされ、電子書籍の推移に神経を張りながらも、肉体労働を含めたリアル書店の仕事は続いていく。変化の激しい状況の中で、それぞれの現場は今、何を考え、どう動いているのか。現場で働く社員たちへの取材を中心に、業界全体への危惧、希望へと話は及ぶ。文庫化にあたり、大幅に改訂増補。

目次 : 書店人生は「雑誌」で始まった―雑誌売場の今昔/ 私はこの業界で生きていきます―コミック・ライトノベルの置き方/ 田口さん、『女子会』よく売れていますよ―人文書と「女子」書店員/ 子どもをバカにしちゃいけません―児童書という希望/ 言葉には力の序列がある―「国語・日本語学」の棚から/ 番外編 書店にとって美とはなにか―リブロ池袋店の40年/ 池袋とどう違うの?―書店再編とシステム/ “こうなりたい私”なんですよ―ノーベル賞と文芸書/ 『本』と『売れる本』―ネット書店その他/ 顧客ファースト?/ 書店不屈宣言(わたしたちはへこたれない)

【著者紹介】
田口久美子 : 1973年キディランド八重洲店で書店員としてのキャリアをスタート。76年、西武百貨店書籍販売部門(のちリブロ)入社、船橋、渋谷各店を経て池袋店店長。その後、ジュンク堂池袋本店副店長、現在もパートタイマーとなりながらも副店長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 佐島楓 さん

    学生に戻ってから、リアル書店を利用する機会が格段に増えた。やはりそこで働く書店員さんの姿を見ると、書店を潰してはいけないという強い思いがこみ上げてくる。この本でも書店員さん一人ひとりがプロ意識を持ち、困難な現状を打破するにはどうすればよいか知恵を絞っている。私も本に関する仕事に携わりたいため、とても深刻に受け止めた。書を探しに街に出るのは楽しいということを、すべての年代の方々に広く知らしめるにはどうすればよいのだろう。

  • ユメ さん

    今「よいものをなるべく安く(できればタダで)早く手に入れたい」という価値観がスタイリッシュだとされている。消費者として自然な心理だとは思う。しかし、その一辺倒では作り手側が成り立たなくなってしまう。あらゆるジャンルに言えることではあるが、いちばんこの「今時の価値観」の皺寄せが来ているのが本のような「文化」なのだという気がする。私の本に対する価値観は著者と同じだ。好きなものはきちんと対価を支払って手に入れる。すなわち、本は書店で買う。だって、そうしなければ私たちの愛する本という文化は滅びてしまうではないか。

  • penguin-blue さん

    ネットで便利に本が買えるようになっても、本屋の店先であれこれ本を手に取りつつ欲しいと思う本に出会ったり選んだりする喜びは何物にも代えがたい。大きな書店や旅先の書店はちょっとしたテーマパーク並みのわくわく感。この本は本を手に取らせるために書店側の担当者が何を考え、どう棚を作り、売るための努力をしているのか、というのが垣間見えて興味深かった。アマゾンへの記述などあまりに書店業界寄りではあるものの、やっぱり本屋に育てられ、本屋の存続を願う読み手としてはなるべくネットではなく、店頭で本を買って行きたいとしみじみ。

  • カブ さん

    本屋さんにお勤めしたかった。本に囲まれて過ごせるなんてほんとうに幸せ。でも、きっと幸せなことばかりじゃないんだろうな。本屋さん、頑張って!

  • taraimo さん

    昭和の本屋さんのイメージは、立ち読み禁止! それが今や閲覧スペースがあり、珈琲の香り漂うカフェも併設され、読み手には寛ぎの空間に。著者の経験やスタッフの声から、各ジャンルの傾向や本への思いが伝わります。一方で出版不況、流通の壁、電子書籍化……厳しい現実が。こちらの書店を訪ねて、注目される新刊や話題作以外に、各階で背表紙を眺め、作り手を想像したり装丁に惹かれたり、9階へ辿り着きました。一生知らずに終る本は無数ある中、たまたま出合える奇跡の本。リアル書店で、そんな宝探しがしたいです。やはり紙の本がいいな。

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