中国農村の現在 「14億分の10億」のリアル 中公新書

田原史起

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121027917
ISBN 10 : 4121027914
フォーマット
出版社
発行年月
2024年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;18

内容詳細

経済発展めざましい中国。だが、取り残された農村部では不満が蓄積しているのではないか? 出稼ぎする「農民工」は虐げられ、「留守児童」は劣悪な環境に置かれているのでは? 1990年代末から中国各地の農村でフィールドワークを重ねてきた著者が実態に迫る。家族の発展を何より重視する精神、末端幹部たちの奮闘、裏金が飛び交う農村選挙、習近平政権が進める都市化の本当の意味――現場で農民と酒を酌み交わして初めて見えてくる実像。

【著者紹介】
田原史起 : 1967年、広島県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。専攻は農村社会学、中国地域研究。新潟産業大学人文学部講師、東京大学大学院総合文化研究科准教授などを経て、2021年より同教授。著書『草の根の中国―村落ガバナンスと資源循環』(東京大学出版会、2019年、アジア・太平洋賞大賞、地域研究コンソーシアム研究作品賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • skunk_c さん

    これは面白い!長年にわたり中国農村に滞在してそのリアルを肌身で感じてきた著者ならではのもので、まさにこうした書を待ち望んでいた。農村が貧しいとか都市との格差とかそういう問題は後景に退いており(しかし注意深く読めばそう言った要素はいくつも見える)、中国農村での人々の生き方、特に家族主義的な人とのつながり方と、その地域性を多くのエピソードとともに紹介する。著者自身が「裏話的」とするように、学術調査論文とは異なる、肌感覚を表に出した著作で、失敗談もあるが、その端々からリアルが顔をのぞかせている。満足の1冊。

  • よっち さん

    経済発展めざましい中国。だが、取り残された農村部では不満が蓄積しているのではないか?90年代末から中国各地の農村でフィールドワークを重ねてきた著者が実態に迫る一冊。中国の人口14億人のうち10億人を占める中国農村関連人口。紀元前から改革開放に至るまでの中国農村の軌跡や制度配置、家族主義の精神と家族経営戦略、血縁から地縁を重視する意識の変化、村にある競争選挙がある理由、中国農村調査はなぜ失敗するのか、農民にとっての都市化など、ふだんあまり知る機会のない中国農村部の状況とその変化をなかなか興味深く読めました。

  • さとうしん さん

    現地調査、歴史的展開、日本や印度の農村との比較、理論の四方向から今の中国農村のリアルを描き出す。古典とされる費孝通の『郷土中国』はどうにも話がわかりにくかったが、本書は具体性でもって理論を肉付けしてくれている。現代中国に家族主義のもとでの「官」は存在しても庶民の代表となるような代議士・政治家が存在しないというのは歴史的な科挙の影響の大きさを示しているし、中国の民主主義が議会制民主主義とは大きく違った形を取らざるを得ない理由を示していよう。農民が都市化された県城に包摂されているという指摘も興味深い。

  • itokake さん

    社会学からみる中国農村。もっと生々しいリアルが読みたかった。研究のために村の中で生活するが、本音まで到達できてない。1つおもしろいと思ったのは、中国では夫婦別姓だが、それは女性は結婚しても相手の家族とは血縁関係にないから。個人主義で血縁主義だという中国では、子ども(男児)を産んでようやく既婚女性は立場を確立する。一昔前の日本でも似たようなものだが、男側の名字を名乗ることで形だけは相手側家族に内包されるのと対比させてある。表面上の差はあっても中身は同じ。

  • 月をみるもの さん

    封建制をはるか昔に離脱した中国。その基盤たる農村には、投票による代議制などよりもはるかにすすんだ「社会主義の優越性」が存在するのかもしれない。党という組織も習近平という指導者も、(すくなくとも現時点では)そうした自国の特質を十全に理解した上で、世界とどう向き合うかを考え将来を設計している。最後に紹介されてる映画「小さき麦の花」を観てみたい https://moviola.jp/muginohana/

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