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昭和問答 岩波新書

田中優子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004320395
ISBN 10 : 4004320399
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

昭和は、今この瞬間の私たちの立っている時空につながる。なぜ競争から降りられないのか、国にとっての独立・自立とは何か、人間にとっての自立とは何か。これらの難問に答えるべく、明治・大正から平成までを縦横に語りつつ、各々が昭和を知るための本も紹介する。好評『日本問答』『江戸問答』に続く第三弾。

目次 : 1 戦争が準備されていた/ 2 二つの戦争/ 3 占領日本が失ったもの/ 4 生い立ちのなかの昭和/ 5 本を通して昭和を読む/ 6 昭和に欠かせない見解

【著者紹介】
田中優子 : 法政大学名誉教授、法政大学江戸東京研究センター特任教授。法政大学社会学部教授、社会学部長、総長を歴任。専門は日本近世文化・アジア比較文化。『江戸の想像力』で芸術選奨文部大臣新人賞、『江戸百夢』で芸術選奨文部科学大臣賞・サントリー学芸賞。2005年度紫綬褒章。江戸時代の価値観、視点、持続可能社会のシステムから、現代の問題に言及することも多い

松岡正剛 : 1944年、京都生まれ。70年代に雑誌『遊』編集長として名を馳せ、80年代に「編集工学」を確立。以降、情報文化と技術をつなぐ研究・企画・構想に従事。日本の歴史文化について独自の切り口による編著作も多数。2000年よりインターネット上で「千夜千冊」を連載(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ

    問答シリーズは田中優子、松岡重剛の重層的な知識と分析力が冴え渡ったテーマ深掘り対談の典型であり、明治以降に走りながら近代国家建設に邁進した果てに辿り着いた昭和日本の姿を浮き彫りにする。発展を急ぎ過ぎた日本人は長期的な視野に立って政治や軍事の構想を練ることを忘れてしまい、その場しのぎを繰り返した末に敗戦を迎えた。あまりに徹底的に負けたため、今度は他国に任せられることは任せてしまう態度が現れ、戦後昭和は違和感だらけになってしまったのだ。虚実が混淆し明確な色のない日本の未来に関し、もう1冊語り合ってほしかった。

  • trazom

    序盤にある戦争へと向かう歴史に関する二人の対話は、刺激的な指摘は少なく、納得感はあれど常識的でちょっと期待外れ。中盤の文化史的な部分に入って、二人の思いが交錯する。松岡さんがプリゴジン博士の影響を受けて寺田寅彦・岡潔・岡倉天心的な情緒を語り、田中先生は「豊饒の海」を批判する。「昭和とは「祈り」を奪われたまま未だに取り戻せてない」と言う松岡さんに、田中先生が「本来、文学は「祈り」を含むもの」と応対する。終盤で、二人が推薦する「昭和を知るための本」55冊がリストアップされる。読まねばならない本が、また増えた。

  • KAZOO

    今までに「日本問答」「江戸問答」と田中さんと8月にお亡くなりになった松岡さんの掛け合い対談を興味を持って読ませてもらいましたが、今回の「昭和問答」が一番印象に残りました。というのは、やはり読書家のお二人が昭和を生きてこられて身をもってこの時代を体験されているからだという気がし田野と私に年代が近いということもあったのだという気がします。特に「生い立ちの中の昭和」「本を通して昭和を読む」が印象に残りました。お二人がご自分の生活してきた昭和についての本などについての感想が楽しめました。

  • 阿部義彦

    岩波新書、10月18日第一刷発行。過去に同じ面子による対談「日本問答」「江戸問答」も出しており、其方も読みたいと思います。その第三弾でしたが、正剛さんの肺癌の治療による、中断もあり本書が出るのにはかなりの時間を要しました、その後の展開も話してはいたのですが、残念ながら本書の後書きを脱稿した直後に呼吸困難に陥り8月12日に救急搬送された病院で急逝しました。お二人の本を巡るやり取り、半分も理解出来てないかも知りませんが、萩尾望都、つげ義春、ゴジラまでが話題に登場、大藪春彦、島田雅彦に関しては興味深かったです。

  • なおこっか

    未知は過去の中にあり、と教えてくれた恩師が田中優子先生である。本書の主題は近い過去であるのに、知らないことが多い昭和。特に日本が戦争当事者であったことは避けては通れない。私自身、アジア圏での当時の情勢をあまりに知らないと、突き付けられる思いだ。日本被団協の方々のノーベル平和賞受賞についてもそうだが、無知の過去を教えてくれる方のいる有り難さよ。知る機会は貴重。本書の対談時期、恐らく体調が万全ではなかったのであろう松岡正剛氏がかなり聞き役にまわっているが、編集だけでなく聞き手としての力量が伺える。

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