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檸檬先生

珠川こおり

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065228296
ISBN 10 : 4065228298
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2021
Japan

Content Description

私立小中一貫校に通う小学三年生の私は、音や数字に色が見えたりする「共感覚」を持ち、クラスメイトから蔑まれていた。ある日、唯一心安らげる場所である音楽室で中学三年生の少女と出会う。檸檬色に映る彼女もまた孤独な共感覚者であった。小説現代長編新人賞受賞!十八歳が放つ鮮烈なデビュー作。

【著者紹介】
珠川こおり : 2002年、東京都生まれ。小学校二年生から物語の創作を始める。高校受験で多忙となり一時執筆をやめるも、高校入学を機に執筆を再開する。『檸檬先生』で第15回小説現代長編新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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共感覚をテーマに書かれていますが、共感覚...

投稿日:2021/07/21 (水)

共感覚をテーマに書かれていますが、共感覚を持っていなくても、主人公と同じような経験をしたことがある人がたくさんいるのではないかと思います。人間一人一人の違いを優劣ではなく、個性として認めることの必要性を感じました。読んでいて辛くなる部分もありましたが、少年と先生のやりとりはとても好きでした。幸せな結末ではないけれど、読んでよかったと思える作品です。

タイラ さん | 愛媛県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • いつでも母さん

    哀しいほどの愛の告白。友愛と言う人間愛。ただ字面を追えば打ちのめされる。人や音や数字が色で見える私を少年と呼ぶ貴女と出会ったのは私が小3の時。中3の貴女と同じく【共感覚】と言う言葉を教えてくれたその時から貴女は「檸檬先生」だった。自分と同じ気持ちの人間などいない。親子だって双子とて違う。『みんなと違う』事がイケナイことだろうか?それが生きにくさの根っこにあるなら、人は何を頼りに真っ黒の人生を歩むのだろう。色が溢れているのにこんなに私を苦しくさせる「先生、先生。檸檬先生…」小説現代長編新人賞受賞!デビュー作

  • みっちゃん

    プロローグから既に読者には提示されている衝撃の結末。読み終わってなお、これしかなかったのだろうか、と辛くて堪らない。余りにも過酷な家庭環境と、文字や音、人の姿までもが色彩を纏って見える体質の為に、孤独な日々を送る少年。彼自身が聡明であるが故に全てをのみ込み、人生を諦めてしまっていた、その前に現れた檸檬色の瞳を持つ「先生」お互いがお互いの居場所でいられ続けたら、どんなに良かっただろう。少年を救ってくれた先生。あなたの選ぶ道はそれしかなかったのか。何とも云えない思いに囚われる。

  • モルク

    私立校に通う小3の「少年」は音、数字、人などに色が見える「共感覚」を持っているが、クラスメイトなどまわりに理解されず「色ぼけ」といわれ浮いていて友人もいない。中等部3年で同じく共感覚を持つ「檸檬先生」と出会い彼女に導かれまわりととけ込めるようになる。しかし檸檬先生は裕福ではあるが様々なものを抱え孤独だった。彼女が最後に選んだのは…。珠川こおりさんの洗練された文章に引き付けられる。これが18才の時の作品とは驚き。この才能をいかしての今後をとても期待している。

  • 美紀ちゃん

    小学3年生の少年は、音楽を聴いても絵を見ても他の人みたいに楽しむことはできない。 数字に色が見えるから計算するのも大変。 共感覚はあまり知られていないので、少年はただの変な人だった。でも同じ共感覚を持つ15歳の少女に出会えた。色々教えてくれるから先生。レモン色だから檸檬先生。 先生に対する気持ちは、仲間のような好きだったのかも。 愛なのか? 想いが足りなかったのか? だから、先生が抱えている大きな悩みを理解できなかったのか? 少年は檸檬先生を孤独にしてしまった。 ラストは衝撃的。違う結末を望みたかった。

  • よつば🍀

    衝撃の冒頭に打ちのめされる。人や音、数字に色が見える「共感覚」を持つ小学3年生の少年と、檸檬色に映る中学3年生の少女の物語。マイノリティゆえに、クラスで疎まれイジメに合う少年が同じ共感覚を持つ少女と出逢った事で、互いの孤独を埋めていく春夏秋冬の日々に心が和らぎながらも冒頭の映像が過り胸が詰まる。何故人は自分と異なるものに対して攻撃するのか。肯定し認めろとは言わない。けれどスルーは可能なはずだ。文中から溢れ出す色とりどりの色彩に共振するかの様に、二人の苦悩と絶望が伝わって来る。あまりにも残酷だ。哀し過ぎる。

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