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沖縄とセクシュアリティの社会学 ポストコロニアル・フェミニズムから問い直す沖縄戦・米軍基地・観光

玉城福子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784409241455
ISBN 10 : 4409241451
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2022
Japan

Content Description

戦後沖縄における性暴力や性売買をめぐる問題は、これまでフェミニズムの観点から様々に論じられてきた。しかし、広大な米軍基地を抱え、アメリカや日本との複雑な権力関係にさらされるこの地の問題を考えるためには、それだけでは不十分である。植民地主義と性差別主義が深く結びついているからだ。不可視化されてきたこの問題を分析するため、ポストコロニアル・フェミニズムの手法を本格的に社会学に導入し、女性を取り巻く言説を問い直す、刺激に満ちた気鋭の力作。

目次 : 第1部 問題構成と視角(序論/ ポストコロニアル・フェミニズムから再考する沖縄研究)/ 第2部 沖縄戦と戦後史の歴史表象におけるセクシュアリティ(日本における沖縄に対する植民地主義―日本軍性奴隷制度を裁く女性国際戦犯法廷後の議論を手がかりに/ 沖縄戦の被害者をめぐる共感共苦の境界線―自治体史誌における「慰安婦」と「慰安所」の記述に着目して/ 沖縄県平和祈念資料館展示改ざん事件再考―「慰安所」とAサインバーの展示に着目して)/ 第3部 継続するセクシュアリティの利用と排除(在沖米軍基地をめぐる攻防―性暴力をめぐる表象に着目して/ 歓楽街環境浄化運動再考―排除される売春女性)/ 終章 ポストコロニアル・フェミニズムの射程

【著者紹介】
玉城福子 : 1985年那覇市生まれ。日本学術振興会特別研究員PD(沖縄国際大学)。特定非営利活動法人社会理論・動態研究所研究員。2015年大阪大学大学院人間科学研究科単位修得退学、2016年博士号(人間科学)取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • カモメ

    沖縄には沖縄開戦前143ヶ所以上もの「慰安所」が作られ、朝鮮や沖縄の女性たちと少数の台湾や九州の女性たちが「慰安婦」にさせられたという事実が明らかになっているにも関わらず、適切に問題化されず不可視化されてきたことを批判的に論じていく。植民地主義の問題が語られるときに沖縄に言及されることはなく、慰安婦についても1990年代後半には朝鮮人=強制連行、日本人=公娼制度という対比が明確になっていく。

  • 塩分

    同化・排除により見えなくされてきた沖縄の中でさらに排除された慰安婦達について、その過程とロジックが整理されていた。植民地における支配-被支配の関係性でセクシュアリティが果たす役割に無自覚だったし、実際に何度も平和祈念資料館も訪れているのにAサインバーの意味も知らずにいた。沖縄では構造的暴力に対抗する言説として被害者に対するケア的視点も育まれてきたと思うが、実際の運動のあり方としてまだまだ家父長制から抜け出せていない部分もあると感じる(だからって他の地方からなんやかや言われるのも腹立つけど…)。

  • だちょう

    沖縄で起きている性暴力について何も知らないなと思ってこの本を手に取った。この本でも指摘されているが、沖縄についてポストコロニアリズムの観点と、フェミニズムの観点から論じられている本は少ないので、貴重な本だと思う。 日米の植民地と言う観点だけでも、女性に対する性暴力という観点だけでも取りこぼしてしまうものがあるということを学ぶことができた。

  • みるくちー

    良い。

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