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春、戻る 集英社文庫

瀬尾まいこ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087455410
ISBN 10 : 4087455416
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2017
Japan

Content Description

結婚準備を進める私の前に、見ず知らずの「兄」と名乗る男の子が現れる。最初は戸惑うけれど、距離が縮まるうちに、私はその正体を思い出す。封印していた過去の挫折経験とともに。(解説/江南亜美子)

【著者紹介】
瀬尾まいこ : 1974年大阪府生まれ。2001年『卵の緒』で第7回坊ちゃん文学賞を受賞しデビュー。05年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、08年『戸村飯店青春100連発』で坪田譲治文学賞、13年咲くやこの花賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • さてさて

    「春、戻る」、というとても瑞々しい響きが印象的な書名のこの作品。そこには、主人公・さくらが封印した過去の記憶の中に、次へと進むためのヒントが隠されていました。ある日いきなり現れた『おにいさん』の存在に振り回される さくら。結婚を前にして、過去のふりかえりが求められる大切な日々の中に、そんな さくらを導くように関わり合いを持つ『おにいさん』の存在。ファンタジーなのか、現実なのかの中間点をふらふらと揺れ動く瀬尾さんらしい物語の展開に、すっかり魅了されたこの作品。清々しい余韻がいつまでも残る、そんな作品でした。

  • zero1

    どこかにあなたを見ている人がいる。それだけで挫折があっても生きていける。和菓子店の山田と地味な結婚が決まった36歳のさくら。目の前に現れたのは、兄と名乗る年下の男。さくらに厚かましく料理を教えるこの男の正体は?教員時代の失敗や父親不在は作者の経験が生きている(後述)。人の繋がりって何だ?家族でなくても人は強く濃く結び付くことができる。本書はそれを証明した。読めば分かるが「卵の緒」、そして19年本屋大賞「そして、バトンは渡された」にも通じる作品。地味だが読みやすく、瀬尾エッセンスがいっぱいの一冊。

  • mae.dat

    安心のまいこさんワールド。兄を名乗る年下の男性が突然やって来る。そんなおにいさんに巻き込まれる話なんですけど。おにいさん、ぐいぐい来るんですよ。ちょっと踏み込みすぎぢゃ御座いません事? 男性である儂でも、その速度で詰め寄られたら恐怖を感じるよ。ましてや、女性のさくらさんなら……と、思わずにはいられません。一度会っただけのおばあちゃんとも長話に花を咲かせるし、何というコミュニケーション強者。と思いきや、小学生の頃は人気者になれず、手品や物真似を覚えたり、そして披露出来ず。と、設定がぐらついている様な気も。

  • エドワード

    ある日、36歳のさくらの前に現れた24歳の<お兄ちゃん>。「へ?」「いまだに先に生まれた方が兄っていうシステムを導入してるの?」何だこの設定は??さくらは間もなく和菓子屋の山田さんと結婚する。お兄ちゃんは結婚式で手品を披露しよう、と言い出す。両親が隠していたってのはナシだ。まず考えたのが未来人だ。あるいは妖精?助けた生き物の化身とか?まさか。お兄ちゃん、遊園地が初めてだというし。でも人間の彼女を連れて来たな。う〜ん、わからない。お兄ちゃんの正体はネタバレなのでヒミツ)^o^(でも最後は心暖まる終幕ですヨ。

  • niisun

    『おしまいのデート』ほど直球勝負でもなく、『幸福な食卓』ほどには捻っていない、その間を行くような作品でしたね。突然誰だか解らない年下のお兄さんが現れるところは、突然父さんが父さんをやめると言い出した『幸福な食卓』同様のインパクトはありましたが、意外と尾を引かずに読み進められました。最初こそ、お兄さんの正体が気になって先を読み急いでしまいましたが、途中からは作中の登場人物たち同様、なんとはなしに、その存在を受け入れている自分がいました。その辺は、瀬尾さんの読みやすい文体に依るところが大きいのでしょうね。

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