家政婦の歴史 文春新書

濱口桂一郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784166614141
ISBN 10 : 4166614142
フォーマット
出版社
発行年月
2023年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
256p;18

内容詳細

2022年9月、ある家政婦の過労死裁判をめぐって日本の労働法制の大きな矛盾に気づいた労働政策研究者の著者は、その要因の一端を市原悦子演じるドラマ『家政婦は見た!』に見出し、家政婦の歴史を紐解く決意をした。戦後長らく放置されてきた彼女たちのねじれた運命を描き出す驚くべき歴史の旅程。

目次 : 序章 ある過労死裁判から/ 第1章 派出婦会の誕生と法規制の試み/ 第2章 女中とその職業紹介/ 第3章 労務供給請負業/ 第4章 労務供給事業規則による規制の時代/ 第5章 労働者供給事業の全面禁止と有料職業紹介事業としてのサバイバル/ 第6章 労働基準法再考/ 第7章 家政婦紹介所という仮面を被って70年/ 第8章 家政婦の労災保険特別加入という絆創膏/ 第9章 家政婦の法的地位再考/ 終章 「正義の刃」の犠牲者

【著者紹介】
濱口桂一郎 : 1958年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業。労働省、欧州連合日本政府代表部一等書記官、衆議院調査局厚生労働調査室次席調査員、東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授、労働政策研究・研修機構の主席統括研究員を経て労働政策研究・研修機構労働政策研究所長。日本型雇用システムの問題点を中心に、労働問題について広く論じている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • よっち さん

    家政婦と女中はどう違う?家政婦は歴史上、いつから家政婦と呼ばれるようになったのか?戦後80年近くにわたり放置されたねじれた歴史を戦前に遡って描き出す一冊。ある家政婦の過労死裁判が浮き彫りにした労働基準法や労災保険の適用外とされる家政婦という立ち位置の歪さ。大正時代に生まれた派出婦会に始まり、そもそもの営利職業紹介事業の大部分が女中紹介だったこと、事業規制の時代からのサバイバル、そこから長らく続く家政婦紹介所の仮面という構図には驚かされましたが、著者の挙げる家事介護派遣などの何らかの対処は必要と感じました。

  • Francis さん

    2022年の家政婦過労死事件裁判の判決を受けて書かれた労働法政策がご専門の著者の新著。「家政婦」はかつては「派出婦」と呼ばれ、本来であれば労働基準法を適用されるべき労働者として扱われるべきだった。ところが占領期GHQのある担当者が実態をよく見ないままその「派出婦」を派遣する派出婦会を労働者供給事業として禁止してしまったためにおかしなことになり、いつのまにか「家政婦」は労働者の扱いをされなくなってしまった・・、と言う。近代日本社会はもしかしたら今も女性労働者を男性と対等な労働者として認めたくないのですかね?

  • Inzaghico (Etsuko Oshita) さん

    役人の性なのか(笑)、規則や法律の条文が多く、素人は読んでいてクラクラしてくるが、冒頭と最後に著者の論旨が簡潔にまとめられている。そして不当な扱いを受けてきた、否、今も受けている家政婦を『「正義の刃」の犠牲者』と評している。戦前戦後の悪徳人夫供給業者を罰して正すという試みの巻き添えを食ってしまったのが、家政婦だった。彼女たちが、そのモデルが生まれた当初の派出婦会からの派遣、というままでいられたら、そんなことにははらなかった。

  • てくてく さん

    『働く女子の運命』などの著作のある、労働省官僚を経て労働法研究者となった著者の、2022年家政婦過労死事件裁判判決にインスパイアされた新書。歴史的変遷を取り扱っているため割と手ごたえがあるが、家事使用人概念をめぐる女中と家政婦(家事手伝い)に対する法規制の矛盾が明らかにされていて大変楽しかった。

  • Yuichi Tomita さん

    家政婦過労死事件を契機に、家政婦の労働法における取り扱われ方を通史で説明したもの。 あまりにマニアックなテーマのため、しばらく積んでいたがようやく読了。労働基準法における「家事使用人」の扱いについては当然全く知らず、戦前に起業家マインド溢れる銀行員の妻から家政婦ビジネスが始まっている所など知らないことが多かった。現行法の一文の理解にここまで深めて分析する必要があるのかという驚きもあった。

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