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頭の大きな毛のないコウモリ 澤村伊智異形短編集

澤村伊智

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334105150
ISBN 10 : 4334105157
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2024
Japan

Content Description

みんな死ぬよ 誰も帰れない

ホラー映画撮影スタッフを襲う悪夢のような事件。
元アイドルのバスツアー参加者たちが語る戦慄の一夜。
保育士と母親の連絡日記から浮かび上がる歪んだ日常。
小学生時代の不穏な事件に隠された薄気味悪い符合。

穢れと禍いの最高到達点。
どこまでも不快で、どうしようもなく愉しい、暗黒奇譚集。

【著者紹介】
澤村伊智 : 1979年、大阪府生まれ。2015年「ぼぎわん」(刊行時『ぼぎわんが、来る』に改題)で第22回日本ホラー小説大賞を受賞し、デビュー。’17年、『ずうのめ人形』で第30回山本周五郎賞候補。’19年、「学校は死の匂い」で第72回日本推理作家協会(短編部門)を受賞。’20年、『ファミリーランド』で第19回センス・オブ・ジェンダー賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • しんたろー

    澤村さん新作は『異形短編集』と銘打った8つの話。成程、どの話にも『異形』とも言うべき禍々しい存在が何かしらの形で登場し、ゾッとさせられた。そして著者らしく、人間や社会への皮肉&批判が感じられて、それが物語の恐怖に関係しているのが「巧い!」と思った。想像していた結末を良い意味で裏切る話が多く、後味の悪さもホラー故の余韻として効果的だった。全て楽しめたが、内幕をよく知っている映像業界が舞台の『禍』と著者の本音?と思わされる皮肉&どんでん返しが効いた『自作解説』が好み。「ホラー愛」が伝わってくる良作揃いの作品。

  • ちょろこ

    恐怖、巧さを味わえる一冊。つくづく澤村さんはさまざまな手法とさまざま角度で恐怖を突きつけてくれる作家さんだと思う。今作の短編集はどれも異形とつくだけあって、ぼやけた輪郭の恐怖の塊たちにゾクゾク。ゾンビには臭気まで漂ってきそうな恐怖と人怖の恐怖を。表題作には保育士と親の連絡帳リレーの中に潜んだ恐怖がいつ姿を現すのか…気持ちが逸る時間を味わえた。都市伝説とノスタルジーが絡み合う「くるまのうた」は夕暮れと迫り来る恐怖の重ね合わせの心理的恐怖も実に巧い。そして澤村さんに掌で転がされたようなあの一篇、あれには拍手。

  • yukaring

    日常から少し歪んだ非日常へ。澤村さんは恐怖で人を翻弄するのが本当に上手い。必ずしも「ない」とは言い切れない悪夢が繰り広げられる異形の暗黒奇譚集。次々に不幸が起こるホラー映画の撮影現場、呪われた映画の真の完成形とは。ゾンビが実在する世界線、彼らより怖いのは…。元アイドルのバスツアー参加者の恐怖体験。特に印象的なのは「くるまのうた」移動販売車のアナウンスをこんなに不気味に感じたのは初めてで根源的な恐怖が呼び覚まされる。そして最後の自作解説にはすっかり騙されてしまったが、真相がわかった時にはホッとひと安心した。

  • 星群

    大好きな伊智さん!一気読みしました!読んだ後で、ちょっとずつ読んだ方が良かったかなと後悔。イチオシは迷いに迷って、『禍 または2010年代の恐怖映画』!終盤の監督の告白に、ひょぇえ!鳥肌ものです。その場にいたら、卒倒しちゃうだろうな。あと、もう一つ紹介したいのが『自作解説』。意外に思うでしょ?私は、混乱の渦に引き込まれました。伊智さん大好きなのに、よく知らないなと思ってWikipediaで調べました。何となく年下かと思ってたけど、年上でした。

  • nobby

    異形をテーマにした短篇として生々しく想像させる不気味さ…それでも身近さ残る非日常に引き込まれる快感!そして最後の自作解説にすっかりヤラれた…最も衝撃的だったのは「ゾンビと間違える」もう冒頭で語られる言葉の意味が徐々に明かされる毎に、社会問題を浮き彫りにするのが秀逸!「鬼 または終わりの始まりの物語」は心地よい伏線回収を味わせておいて結末では素晴らしく納得させた上での号泣…それにしても残念なのは元アイドルのバスツアーはイニシャルなくても分かったのに、青と白の毛を生やしたヤマネコのバケモンにピンと来ない自分…

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